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心理学の独学Q&A

心理学は英語で学ぶべき?英語の教材の使い方

更新日 2026-10-03

無料の英語教材は内容が充実し、学習効果も日本語の教科書と同等と報告されています。ただし英語そのものがストレスになることもあるため、無理なく併用するのがおすすめです。

01無料の英語教材にはどんなものがあるか

OpenStaxのような無料のオープン教科書は、費用を抑えながら従来の教科書と同等の学習成果が得られると報告されています。

オープン教科書(OER)の効果を論じた2021年の論文は、OpenStaxの教科書イニシアチブによって「推定300万ドルの学生向け節約」が生まれたと紹介しています。同論文では、平均的な大学生が教科書に年間およそ1000ドルを費やしているという実態も指摘されており、無料の英語教材には経済的なメリットがあることがわかります。

学習効果についても、Hilton(2016)による16件の研究のメタ分析では、オープン教科書を使った学生は従来の教科書を使った学生と「同等の学習成果を達成した」と報告されています。より厳密な研究設計を用いた後続の研究(Beile他 2020年、Winitzky-Stephens & Pickavance 2017年)でも、同様に成績に差がないことが確認されており、無料の英語教材を使うこと自体が学習の質を下げるわけではないと考えられます。

02英語で学ぶことのハードル:学習ストレス

英語での学習はストレスになりやすく、そのストレスは自己効力感の低下を通じて、学習への意欲の低下につながると報告されています。

中国の大学生1,130人(平均年齢20.84歳)を対象にした2022年の論文は、英語学習のストレスと「燃え尽き(バーンアウト)」の関係を調べました。その結果、英語学習ストレスは自己効力感を低下させ(β=−0.40)、それが燃え尽きを増加させる(β=−0.28)という経路が見つかり、この間接的な効果だけで全体の効果の46.22%を占めていました。

同じ論文では、マインドフルネス(いまの状態に意識を向ける心の使い方)が高い男子学生では、ストレスが自己効力感に与える悪影響が緩和される一方、女子学生では自己効力感の低下が燃え尽きに与える影響がより強い(女性β=−0.33、男性β=−0.21)という性差も報告されています。英語で心理学を学ぼうとすること自体が、誰にとっても一定のストレス要因になりうるということです。

03無理なく英語教材を使うコツ

まず日本語で基礎用語と全体像を学び、慣れてきた分野から少しずつ英語の教材に触れていくと、ストレスを抑えながら英語教材の利点を活かせます。

上記の研究が示すように、英語教材には経済的・内容的なメリットがある一方、英語で学ぶこと自体がストレス要因になり、学習意欲を下げてしまうこともあります。そのため、最初から英語の教科書だけで学ぼうとせず、まず日本語の講座や教科書で基礎用語と分野の全体像をつかみ、興味を持てた分野の論文や教科書だけを英語で読んでみるという使い方が無理なく続けやすいでしょう。

知っている用語が英語で出てきたときに意味を推測できるようになると、英語教材への抵抗感も小さくなっていきます。日本語の用語辞典で用語の意味を先に確認してから、同じ内容を英語教材で読み直す、という順番も効果的です。

FAQよくある質問

心理学は英語で学ばないといけませんか?

必須ではありません。日本語の教科書や講座、J-STAGEで読める日本語論文でも心理学の基礎は学べます。英語教材は選択肢の一つです。

無料の英語教科書でも学習効果はありますか?

研究では、オープン教科書を使った学生は従来の有料教科書を使った学生と同等の学習成果を得たと報告されています。

英語で学ぶとストレスを感じるのは自分だけですか?

いいえ。大学生を対象にした研究では、英語学習のストレスが自己効力感の低下を通じて燃え尽きにつながることが報告されており、多くの学習者に共通する課題です。

出典

  1. Ma (2021). Empowering digital learning with open textbooks. Educational Technology Research and Development 69(1):393-396
  2. Xu, Wang, Chen, Zhang, Huang & Yu (2022). English Learning Stress, Self-Efficacy, and Burnout among Undergraduate Students: The Moderating Effect of Mindfulness and Gender. International Journal of Environmental Research and Public Health 19(23):15819

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