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記憶・心理学概論符号化(記憶)とは
英語: Encoding ・ 更新日 2026-10-03
符号化とは、経験の神経表現を結びつけ、記憶としての最初の形を作る過程のことです。
01符号化(記憶)をくわしく
符号化(エンコーディング)とは、経験した出来事の情報を、記憶として保持できる形に変換する最初の段階を指す。符号化の内容は、その後の検索(思い出すこと)のされやすさに直接影響する。
この関係を説明する代表的な考え方が「符号化特定性の原理」である。Frankland, Josselyn, Köhler(2019)によれば、この原理はテュルヴィング(Tulving)らの研究にもとづき、検索の手がかりが効果を持つのは、そのてがかりと記憶内容との関係についての情報が、符号化の時点でともに記憶痕跡に取り込まれている場合に限る、とする考え方である。
符号化された情報は単一のシステムに保存されるわけではない。Eustache & Desgranges(2008)が提案した多重貯蔵モデル(MNESIS)では、エピソード記憶・意味記憶・手続き記憶などの複数のシステムがそれぞれ異なる形で符号化と統合を行うとされ、顕在記憶の課題では符号化時に脳血流が増加する一方、潜在記憶(プライミング)の課題ではむしろ減少する現象(反復抑制)が報告されている。
誤解されやすい点として、「覚えようとする意図」自体が符号化の質を決めるわけではない。情報をどのように処理したか(たとえば意味を考えたか、見た目だけ処理したか)が符号化の深さを左右し、結果として記憶の残りやすさに影響する。
02身近な例
単語を意味まで考えて覚えたほうが、見た目だけ眺めて覚えるよりも後で思い出しやすいのは、符号化の深さの違いによる。
FAQよくある質問
符号化(記憶)とは何ですか?
符号化とは、経験の神経表現を結びつけ、記憶としての最初の形を作る過程のことです。
符号化と検索の違いは何ですか?
符号化は経験を記憶として取り込む最初の段階で、検索はその記憶に後からアクセスする過程です。Frankland等(2019)が紹介する「符号化特定性の原理」によれば、検索の手がかりが効果を持つのは、その手がかりの情報が符号化の時点で記憶に取り込まれている場合に限られます。
覚えようと意識すれば、しっかり符号化されますか?
意図するだけでは十分ではありません。情報をどのように処理したか(意味を考えたか、見た目だけ見たか)が符号化の深さを左右し、それが後の記憶の残りやすさに影響すると考えられています。