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心理学の研究法出版バイアスとは
英語: Publication Bias ・ 更新日 2026-10-03
出版バイアスとは、統計的に意味のある(有意な)結果が出た研究ほど論文として発表されやすく、意味のある差が見られなかった研究は発表されにくいという偏りのことです。
01出版バイアスをくわしく
出版バイアスの問題は、1959年にスターリングによって指摘されたのが最初とされています。2016年に発表された論文では、スターリングが4つの学術誌に掲載された、有意性検定を使った全ての論文を調べたところ、その97%が仮説を支持する結果になっていたことが紹介されています。
同じ2016年の論文では、2010年の分析でも心理学・精神医学系の論文の92%以上が仮説への支持を主張していたとされ、問題が数十年経っても大きく変わっていないことが示されています。
出版バイアスは治療効果の評価にも影響します。2014年に発表された論文では、認知行動療法によるうつ症状への効果の大きさが、出版バイアスを調整する前は0.67だったのに対し、調整後には0.42まで下がったという分析結果が紹介されています。
対策として、研究を始める前に仮説や分析方法を登録しておく「事前登録」や、結果にかかわらず論文を掲載することを約束する仕組みなどが提案されていますが、問題そのものが解消されたわけではありません。
02身近な例
新しい勉強法の効果を調べた研究のうち、「効果があった」という結果の研究の方が目立って紹介されやすいのは、出版バイアスの影響かもしれません。
03講座で学ぶ
出版バイアスは、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
出版バイアスとは何ですか?
出版バイアスとは、統計的に意味のある結果が出た研究ほど論文として発表されやすく、意味のある差が見られなかった研究は発表されにくいという偏りのことです。1959年にスターリングが指摘したのが最初とされています。
出版バイアスは心理学の研究にどれくらい影響していますか?
2016年の論文では、2010年の分析で心理学・精神医学系論文の92%以上が仮説を支持する結果を報告していたとされ、1959年の指摘(97%)と大きく変わっていないことが示されています。
出版バイアスは治療効果の評価にどう影響しますか?
2014年の論文では、認知行動療法の効果量が出版バイアスを調整すると0.67から0.42まで下がったと報告されており、バイアスを無視すると効果を大きく見積もってしまう可能性があります。
出典
- Ickowicz, A. (2014). Paucity of Negative Clinical Trials Reports and Publication Bias. Journal of the Canadian Academy of Child and Adolescent Psychiatry, 23(1), 7.
- Button, K. S., Bal, L., Clark, A., & Shipley, T. (2016). Preventing the ends from justifying the means: withholding results to address publication bias in peer-review. BMC Psychology, 4, 59.