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生理心理学

ウェーバーの法則とは

英語: Weber's law ・ 更新日 2026-10-03

ウェーバーの法則とは、感覚刺激の変化に気づくために必要な最小の差(弁別閾)が、もとの刺激の強さに比例するという心理学の法則のことです。

01ウェーバーの法則をくわしく

ウェーバーの法則は、19世紀のドイツの生理学者エルンスト・ウェーバーが、重さの弁別に関する実験から見いだした関係です。ウェーバーは、人に標準となる重さを持たせたあとに別の重さを持たせ、どのくらいの差があれば「違う」と感じられるかを調べました。その結果、違いを感知できる最小の差(just noticeable difference, JND)は、もとの重さの値に比例して大きくなることが分かりました。この関係はΔI=k×Iという式で表され、kは感覚の種類ごとに決まる定数(ウェーバー比)と呼ばれています。

2025年にPenconekが発表した研究では、ウェーバーの法則を「どちらの刺激が大きいかを選ぶ判断」の確率モデルとして捉え直し、差の大きさΔIが選択される確率pに対して、やはりもとの刺激強度に比例する(ΔI(p)=k×I)という「比率の原理」として一般化しています。この研究では、音の高さの弁別が5〜80デシベルの範囲で穏やかな凸型の関係を示すことや、サルや人の振動刺激の周波数弁別では20〜200ヘルツという広い範囲でウェーバー比がほぼ一定であることなど、感覚の種類によって法則の当てはまり方に幅があることも示されています。

一方で、ウェーバーの法則はどの条件でも同じように成り立つわけではありません。同研究によると、音の大きさの弁別では10〜40デシベルの範囲では法則が成立しますが、それより小さい音や大きい音では成立しなくなります。また別の実験データでは、ごく弱い光の明るさを比べる場合、ウェーバー比が中〜強い光の場合より最大70倍も大きくなることが報告されており、極端に弱い刺激や強い刺激では法則から外れやすいことが分かっています。「感覚の変化はいつも同じ割合で感じられる」という理解は、刺激の強さが中程度の範囲でのみ当てはまる近似だと考えた方が実情に近いといえます。

この法則は、値段の変化への気づき方など、日常のさまざまな場面にも当てはめて考えられています。もとの量や強さが大きいほど、同じ絶対量の変化には気づきにくくなるという考え方の基礎になっています。

02身近な例

たとえば、1000円の商品が100円値上がりすればすぐに気づきますが、10万円の商品が同じ100円値上がりしてもほとんど気づかないのは、ウェーバーの法則にかなった現象です。

03講座で学ぶ

ウェーバーの法則は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第5章感覚と知覚はどう違うのか。情報が心に届くまでの2段階

FAQよくある質問

ウェーバーの法則とは何ですか?

感覚刺激の変化に気づくために必要な最小の差(弁別閾)が、もとの刺激の強さに比例するという法則です。もとの刺激が強いほど、同じ絶対量の変化には気づきにくくなります。

ウェーバーの法則とフェヒナーの法則の違いは何ですか?

ウェーバーの法則は、違いに気づくための最小の差がもとの刺激の強さに比例することを示す法則です。フェヒナーは、このウェーバーの法則をもとに、感覚の強さそのものが刺激の強さの対数に比例して変化すると考え、両者を結びつけた関係を提案しました。

ウェーバーの法則はすべての感覚に当てはまりますか?

視覚・聴覚・触覚・重さの感覚など多くの感覚で確認されていますが、刺激が極端に弱い場合や強い場合には当てはまらなくなることが研究で示されています。すべての条件で例外なく成り立つわけではありません。

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ストレスストレッサーカクテルパーティー効果ミュラー・リヤー錯視

出典

  1. Penconek, M. (2025). Weber's Law as the Emergent Phenomenon of Choices Based on Global Inhibition. Frontiers in Neuroscience, 19, 1532069.
  2. Shouval, H. Z., Agarwal, A., & Gavornik, J. P. (2013). Scaling of Perceptual Errors Can Predict the Shape of Neural Tuning Curves. Physical Review Letters, 110(16), 168102.

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