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生理心理学

闘争・逃走反応とは

英語: Fight-or-Flight Response ・ 更新日 2026-10-03

闘争・逃走反応とは、危険や脅威を感じたときに、交感神経系とアドレナリンなどのホルモンの働きによって、体が「戦う」か「逃げる」かに備えて自動的に準備を始める反応のことです。

01闘争・逃走反応をくわしく

闘争・逃走反応という考え方は、20世紀初頭にアメリカの生理学者ウォルター・B・キャノンが提唱したとされています。キャノンは1915年の著書『Bodily Changes in Pain, Hunger, Fear and Rage』の中で、動物や人間が危険にさらされたときに交感神経系と副腎が一体となって働き、「戦う」か「逃げる」かのどちらかに体を備えさせるしくみを説明し、この働きを指す言葉として「fight or flight」という表現を使いました。

その後の研究でも、この仕組みの基本的な流れが確認されています。2026年に発表されたレビューでは、けがや強いストレスによって痛みを感じる神経が興奮すると交感神経系が働き始め、副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが血液中に放出される過程が整理されています。これらのホルモンは心拍数や血圧を上げ、筋肉への血流を増やすなど、短時間で全身の状態を変化させ、危険に素早く対応できるようにする働きを持つとされています。

ただし、危険に対する反応は「戦う」か「逃げる」かの二択だけで説明できるものではありません。近年の研究では、体が動けなくなる「凍りつき(フリーズ)」や、相手に合わせて自分を抑える「フォーン」といった反応も、危険への対応の一つとして位置づけられています。また、闘争・逃走反応そのものは短期的には体を守るしくみですが、強いストレスが繰り返されたり長く続いたりすると、心身への負担につながりうるとも考えられています。

日常生活でも、プレゼン前に心臓がドキドキしたり、急に緊張や怒りを感じたりするのは、この闘争・逃走反応の表れの一つと考えることができます。反応自体は体を守るための自然なしくみであり、起きたことそのものを過度に心配する必要はありません。

02身近な例

大事な試験や面接の直前に心臓がドキドキしたり、手に汗をかいたりするのは、闘争・逃走反応が働いているためと考えられます。

03講座で学ぶ

闘争・逃走反応は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第14章ストレスとは何か。ストレッサーとストレス反応

FAQよくある質問

闘争・逃走反応とは何ですか?

危険や脅威を感じたときに、交感神経系とアドレナリンなどのホルモンの働きによって、体が戦うか逃げるかに備えて準備する反応のことです。

闘争・逃走反応は誰が提唱したのですか?

アメリカの生理学者ウォルター・B・キャノンが、1915年の著書の中でこの仕組みを説明し、「fight or flight」という表現を使ったことが知られています。

闘争・逃走反応以外の反応もあるのですか?

はい。近年の研究では、体が動けなくなる「凍りつき(フリーズ)」や、相手に合わせて自分を抑える「フォーン」といった反応も、危険への対応の一種として取り上げられています。

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出典

  1. Weinstein N, Holcomb JB, Johansson PI (2026). Shock Induced Endotheliopathy and High Trauma Mortality-Fight-or-Flight Response Revisited. International Journal of Molecular Sciences, 27(16), 7210.
  2. Algarin AB, Lee JY, Zhan X (2026). Fight, Flight, Fawn, Freeze: Rethinking Substance Use Through a Stress Response Lens. Current Addiction Reports, 13(1), 21.

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