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第6章 学習 ・ レッスン6-2オペラント条件づけとは何か。スキナーの実験
読む時間の目安: 4分 ・ 公開日 2026-10-02
このレッスンの学習目標
- オペラント条件づけと古典的条件づけの違いを説明できる
- スキナーの実験(オペラント箱)の仕組みを説明できる
- シェイピングとは何かを説明できる
要点
- オペラント条件づけとは、行動の結果によって、その後にその行動が起こる頻度が変化する学習のことです。
- 心理学者B・F・スキナーは、レバーを押すと食物が出る装置を使い、動物の行動が結果によって変化する様子を調べました。
- スキナーは、目標の行動に少しずつ近づける「シェイピング」という方法も見つけました。
01オペラント条件づけとは何か
オペラント条件づけとは、行動の結果によって、その後にその行動が起こる頻度が変化する学習のことです。
前のレッスンで学んだ古典的条件づけでは、刺激と刺激が結びついて反応が変わりました。一方、オペラント条件づけでは、自分が行った行動の結果によって、その行動が今後どのくらい起こりやすくなるかが変わります。
2002年に学術誌Annual Review of Psychologyに発表された論文によると、オペラント条件づけという用語は、1937年にアメリカの心理学者B・F・スキナー(1904〜1990年)によって作られました。スキナーは、パブロフの条件反射とは区別して、環境に働きかける行動を研究するために、この言葉を使いました。
02スキナーの実験。レバーを押すと食物が出る装置
スキナーは、レバーを押すと食物が出る装置を使い、ラットやハトの行動が結果によって変化する様子を調べました。
同じ論文によると、スキナーの実験では、ラットにはレバーを押す動作、ハトには光ったボタンをつつく動作のように、繰り返しやすい行動を選び、その行動が起こったときに食物を与える装置を使いました。
この装置は、のちに「スキナー箱」と呼ばれるようになりました。動物がレバーを押すと自動的に食物が出てくるため、人の手を介さずに、行動とその結果の関係を記録できました。
2004年に学術誌Journal of the Experimental Analysis of Behaviorに発表された論文によると、スキナーは1943年、ミネアポリスの製粉工場の建物でこの研究を行っていた時期があり、動物の行動を観察する中で、新しい訓練の方法を見つけました。
03シェイピングという技法
シェイピングとは、目標の行動に近づく行動を少しずつ強化しながら、複雑な行動を段階的に作り上げていく方法のことです。
同じ2004年の論文によると、スキナーは、動物が最初から目標の行動をとるのを待つのではなく、目標に近い行動が起きたときに少しずつ食物を与えることで、望む行動に近づけていく方法を見つけました。これはシェイピング(段階的近似)と呼ばれています。
たとえば的を狙う行動を教える場合、最初は的の方を向くだけで食物を与え、次は的に近づいたときだけ与えるというように、目標に近い行動の基準を少しずつ上げながら強化していきます。
シェイピングの考え方は、動物の訓練だけでなく、人が新しい行動を少しずつ身につけていく場面にも応用されています。
04オペラント条件づけからわかること
オペラント条件づけは、行動が起きた後に何が続くかによって、その行動のその後の起こりやすさが変わることを示しています。
2002年の論文によると、スキナーの研究から、行動の後に起こる出来事(強化)が、その行動の頻度を変えるという考え方が生まれました。この考え方は、強化を与えるタイミングやパターン(強化スケジュール)によって、行動の起こり方が変わることも示しています。
次のレッスンでは、強化と罰の違いについて、「正の強化」「負の強化」「正の罰」「負の罰」という4つの種類に分けて、くわしく学びます。
KEYWORDSキーワード(日本語・英語)
このレッスンで覚えておきたい用語です。英語名も一緒に覚えると、海外の教科書や論文が読みやすくなります。
オペラント条件づけとは、行動の結果によって、その後にその行動が起こる頻度が変化する学習のことです。
スキナー箱とは、レバーを押すなどの行動をすると食物が出る、動物の行動を調べるための装置のことです。
シェイピングとは、目標の行動に近づく行動を少しずつ強化しながら、複雑な行動を段階的に作り上げていく方法のことです。
出典
- Staddon, J. E. R., & Cerutti, D. T. (2002). Operant conditioning. Annual Review of Psychology, 54, 115-144.
- Peterson, G. B. (2004). A day of great illumination: B. F. Skinner's discovery of shaping. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 82(3), 317-328.
- Vieira de Castro, A. C., Araújo, Â., Fonseca, A., & Olsson, I. A. S. (2021). Improving dog training methods: Efficacy and efficiency of reward and mixed training methods. PLOS ONE, 16(2), e0247321.
- Keller, F. S. (1990). Burrhus Frederic Skinner (1904-1990) (a thank-you). Journal of Applied Behavior Analysis, 23(4), 403-408.
LESSON 6-2 の仕上げ
確認クイズ(全3問)
学んだ内容を確かめましょう。答えを見る前に、自分で選んでみてください。
Q1. 「オペラント条件づけ」という用語を作ったのは誰ですか。
- イワン・パブロフ
- B・F・スキナー
- ジョン・ワトソン
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正解: 2. B・F・スキナー
オペラント条件づけという用語は、1937年にスキナーによって作られました。
Q2. スキナーの実験で、ラットが行った代表的な行動はどれですか。
- レバーを押す
- 穴を掘る
- ボールを転がす
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正解: 1. レバーを押す
スキナーの実験では、ラットにはレバーを押す動作のような、繰り返しやすい行動を選んで調べました。
Q3. シェイピングとは何ですか。
- 目標の行動に近づく行動を少しずつ強化して行動を作り上げる方法
- 罰を与えて行動を減らす方法
- 刺激と刺激を対にして反応を学習させる方法
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正解: 1. 目標の行動に近づく行動を少しずつ強化して行動を作り上げる方法
シェイピングは、目標に近い行動を少しずつ強化しながら、複雑な行動を段階的に作り上げる方法です。
レッスン6-2はここまでです
クイズで迷った問題があれば、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。