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思考・心理学概論基準率の誤りとは
英語: Base Rate Fallacy ・ 更新日 2026-10-04
基準率の誤り(ベースレート無視)とは、個別の情報に注意が向きすぎて、全体の中での出現率(基準率)を軽視してしまう判断の誤りのことです。心理学者のカーネマンとトヴェルスキーが1970年代の研究で示しました。
01基準率の誤りをくわしく
基準率の誤りは、ある集団に関する一般的な割合(基準率)よりも、目の前の個別の情報を重視しすぎることで生じる判断の偏りです。2013年の研究は、カーネマンとトヴェルスキーによる1973年の研究を取り上げ、個別の記述的な情報が与えられると、事前の確率(基準率)がほとんど無視され、「個別化した情報が与えられると事前確率は大きく無視される」と結論づけられたことを紹介しています。
2013年の研究自体は、数値としての基準率よりも、文章で与えられる定性的な情報(ジスト)を好む傾向が人によって異なることを調べ、数値的な基準率を重視する人ほど、確率の論理的な誤り(連言錯誤)を起こしにくいことを示しました。
一方で、基準率が常に無視されるわけではないという報告もあります。2008年の学習実験では、予測に使う手がかりの出現率と、実際に当てたい出来事の出現率が似た偏り方をしている場合、人は両者の間に本当は無い相関関係を推測してしまう「疑似相関」を起こすことが示され、基準率の扱われ方は状況によって変わることがわかっています。
基準率の誤りは、医療診断や裁判での証言評価など、確率をもとに判断する場面で特に問題になります。「個別の証拠が強そうに見える」ときほど、全体の中でその出来事がもともとどれくらい起こりやすいかを見落としやすいという点が、誤解されやすいポイントです。
02身近な例
ある病気の検査で「陽性」と出ても、その病気自体がもともと非常にまれ(基準率が低い)であれば、本当にかかっている確率は検査の精度ほど高くないことがあります。基準率を考えずに「陽性」という個別の情報だけで判断してしまうと、誤った結論に至りやすくなります。
03講座で学ぶ
基準率の誤りは、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
基準率の誤りとは何ですか?
基準率の誤り(ベースレート無視)とは、個別の情報に注意が向きすぎて、全体の中での出現率(基準率)を軽視してしまう判断の誤りのことです。
基準率の誤りと代表性ヒューリスティックの違いは何ですか?
代表性ヒューリスティックは「典型的に見えるかどうか」で判断してしまう傾向全般を指し、基準率の誤りはその結果の一つとして、全体の出現率を軽視してしまう現象を指します。
基準率は常に無視されるのですか?
いいえ。2008年の学習実験では、予測の手がかりと結果の出現率が似た偏り方をしている場合、人はむしろ両者の関係を過大に推測することが示されており、基準率の扱われ方は状況によって変わります。
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出典
- Wolfe, C. R., & Fisher, C. R. (2013). Individual Differences in Base Rate Neglect: A Fuzzy Processing Preference Index. Learning and Individual Differences, 25, 1-11.
- Kutzner, F., Freytag, P., Vogel, T., & Fiedler, K. (2008). Base-Rate Neglect as a Function of Base Rates in Probabilistic Contingency Learning. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 90(1), 23-32.