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思考・心理学概論

機能的固定性とは

英語: Functional fixedness ・ 更新日 2026-10-03

機能的固定性とは、物のいつもの使い方の経験が、同じ物を新しい方法で使うことを妨げる現象のことです。

01機能的固定性をくわしく

機能的固定性とは、物のいつもの使い方の経験が、同じ物を新しい方法で使うことを妨げる現象のことです。ドゥンカーが1945年に報告した「ろうそく問題」が有名で、画鋲の入った箱を壁への台として使う必要がある課題で、画鋲が箱の中に入っている場合は、横に置かれている場合より解決率が低くなることが古くから知られています(2024年のEbelらの論文でもこの古典的な実験として紹介されています)。

2024年のEbelらは、チンパンジーを対象に機能的固定性を調べました。ホースで飲み物を飲む経験を事前にした群は、同じホースを別の課題(食べ物を管から押し出す)で使うのに、経験のない群より有意に長い時間がかかり、この効果は9か月後も残っていました。他の個体の様子を見て学ぶ「観察学習」による固定性についても、やや弱い証拠が得られています。

2011年のHanusらの研究では、水を分配する装置を使った課題で、チンパンジーがいつも使っていた分配器からは思うように水を取れなかったものの、見た目の新しい分配器からは問題なく水を使えたことが示されました。研究チームは、これが「個体の学習経験」や「習慣の形成」から生まれる可能性があるとし、機能的固定性がこれまで人間だけで体系的に調べられてきた現象であることを指摘しています。

これらの研究から、機能的固定性は人間に特有の現象ではなく、チンパンジーなど他の動物にも見られる、学習によって生じる思考の癖であることがうかがえます。

02身近な例

釘を打つための金づちが見つからないとき、手元にある重い本を金づちの代わりに使うという発想が出にくいのは、機能的固定性の一例です。

03講座で学ぶ

機能的固定性は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第7章思考とは何か。概念と問題解決の仕組み

FAQよくある質問

機能的固定性とは何ですか?

機能的固定性とは、物のいつもの使い方の経験が、同じ物を新しい方法で使うことを妨げる現象のことです。

機能的固定性は人間だけに見られるのですか?

いいえ。2024年の研究では、チンパンジーにも機能的固定性と同様の現象が見られ、以前にホースを飲み物用に使った経験があると、別の使い方をする課題で時間がかかることが確認されました。

機能的固定性を乗り越えるにはどうすればいいですか?

物の基本的な部分や性質を考え直す、別の使い方の可能性を広げて考えるといった工夫が、研究で検討されています。

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ひらめき(インサイト)ヒューリスティック代表性ヒューリスティック

出典

  1. Ebel, S. J., Völter, C. J., Sánchez-Amaro, A., Helming, K. A., Herrmann, E., & Call, J. (2024). Functional fixedness in chimpanzees. Scientific Reports, 14, 12155.
  2. Hanus, D., Mendes, N., Tennie, C., & Call, J. (2011). Comparing the Performances of Apes (Gorilla gorilla, Pan troglodytes, Pongo pygmaeus) and Human Children (Homo sapiens) in the Floating Peanut Task. PLoS One.

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