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恋愛・人間関係運命信念と成長信念とは
英語: Destiny Belief / Growth Belief ・ 更新日 2026-10-03
運命信念とは、相性の良い相手は最初から決まっていると考える恋愛観のことです。関係は努力で育つと考える成長信念と対比され、心理学者Knee(1998)が整理しました。
01運命信念と成長信念をくわしく
運命信念・成長信念は、心理学者レイモンド・ニー(C. Raymond Knee)が1998年の論文で整理した「関係についての暗黙の理論」という考え方です。運命信念は「相性の良い相手は最初から決まっている」、成長信念は「関係は努力やすれ違いを乗り越えることで育つ」という捉え方を指します。
Gander らが2024年に発表した研究では、904組のカップル(1,808人)を2年間・4回にわたって追跡しました。その結果、交際の時点で運命信念が強い人ほど満足度の初期値が高いこと(b=.06、p=.010)、成長信念が強い人ほど時間が経っても満足度の低下がゆるやかであること(b=.03、p=.019)が示されました。成長信念が平均より1標準偏差高い人は、満足度の低下速度がほぼ半分になっていました。一方、カップルの両方が運命信念が強い場合は、満足度の低下がより急でした(b=-.03、p=.030)。
Canevello & Crocker(2011年)の大学生を対象にした研究では、相手を思いやる目標(compassionate goals)を持つ新入生ほど、1学期の間に友人関係についての成長信念が強まることが示されました(β=.21、p<.01)。ルームメイト65組(130人)を3週間追跡した別の調査では、自分が思いやる目標を持つと相手もそれを持つようになり、互いの成長信念を高め合う連鎖も確認されています。
研究者は、効果の大きさはいずれも小さく、関係満足度に影響する要因の一つに過ぎないと注意しています。運命信念自体が悪いわけではなく交際初期の満足度を高めやすい一方、「運命の相手だから努力は不要」と考えすぎると、困難が起きたときに満足度が急に下がりやすい点には注意が必要です。
02身近な例
「この人とは運命だ」と感じて付き合い始めた関係でも、困難が起きたときに「努力で乗り越えよう」と考えられるかどうかで、その後の満足度の保ちやすさが変わってきます。
RESEARCH研究の解説記事
「運命の人」を信じるほど関係がうまくいかなくなるのか。暗黙の関係理論の研究(しぐさと本音)
FAQよくある質問
運命信念とは何ですか?
運命信念とは、相性の良い相手は最初から決まっていると考える恋愛観のことです。関係は努力によって育つと考える成長信念と対比され、心理学者Knee(1998)が整理しました。
運命信念と成長信念はどちらが良いのですか?
どちらか一方が優れているわけではありません。運命信念が強い人は交際初期の満足度が高くなりやすく、成長信念が強い人は時間が経っても満足度が下がりにくいという、異なる強みが研究で示されています。
成長信念は後から高めることができますか?
研究では、相手を思いやる目標を持つことが、友人関係についての成長信念を強めることにつながると示されています。関係の捉え方は固定的ではなく、関わり方によって変化しうると考えられます。
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出典
- Knee, C. R. (1998). Implicit theories of relationships: Assessment and prediction of romantic relationship initiation, coping, and longevity. Journal of Personality and Social Psychology, 74(2), 360-370.(背景・原典。PMCには収録されていません)
- Canevello, A., & Crocker, J. (2011). Changing relationship growth belief: Intrapersonal and interpersonal consequences of compassionate goals. Personal Relationships, 18(3), 370-391.
- Gander, F., Uhlich, M., Traut, A., Saameli, K., Bühler, J. L., Weidmann, R., & Grob, A. (2024). The role of relationship beliefs in predicting levels and changes of relationship satisfaction. European Journal of Personality, 39(1), 105-121.