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社会心理学

視点取得とは

英語: Perspective-taking ・ 更新日 2026-10-04

視点取得とは、他者の意図・欲求・感情・信念を、その人の立場から想像し理解しようとする、認知的な働きのことです。相手の気持ちに共鳴する「共感」とは区別される、思考に関わる働きとして研究されています。

01視点取得をくわしく

視点取得とは、他者の意図や欲求、信念などを理解しようとする、認知的な働きのことです。2014年の論文では、視点取得を「他者の意図・欲求・感情・信念で構成される世界を理解し、対処するための認知的な過程」と説明しています。

視点取得は、相手の気持ちに引き込まれるように感じる「共感」とは異なる働きとして研究されています。2019年の研究では、視点取得(他者の意図や目標を推測する働き)と共感が、脳の中でそれぞれ異なる神経回路に関わっていることが示されました。共感は不安や緊張に関わる脳の部位と結びつき、視点取得は、他者について考えるときに働く脳の部位と結びついていたと報告されています。

視点取得は、対人関係だけでなく、反社会的な行動との関連でも調べられています。大学生を対象にした横断研究と、拘置所の受刑者を対象にした1年間の追跡研究の両方で、視点取得の高さが、罪悪感を感じやすい傾向や他者への共感的な関心を通じて、将来の犯罪行動の少なさと関連することが示されました。

このように、視点取得は単に「優しさ」のようなものではなく、他者の立場に立って考える、特定の認知的なスキルとして位置づけられています。共感と組み合わさることで、罪悪感や思いやりといった感情につながると考えられています。

02身近な例

友人がミスをして落ち込んでいるとき、「自分だったらどう感じ、どう考えるだろう」と相手の立場に立って想像すること。これが視点取得の働きの一例です。

03講座で学ぶ

視点取得は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第12章向社会的行動と傍観者効果。なぜ助け、なぜ助けないのか

FAQよくある質問

視点取得とは何ですか?

視点取得とは、他者の意図・欲求・感情・信念を、その人の立場から想像し理解しようとする、認知的な働きのことです。

視点取得と共感の違いは?

視点取得は、他者の考えや意図を推測する、思考に関わる働きです。共感は、相手の気持ちに引き込まれるように感じる、感情に関わる働きです。研究では、この2つが脳の異なる部位と結びついていることが示されています。

視点取得が高いと犯罪行動が減るのですか?

研究では、視点取得の高さが、罪悪感を感じやすい傾向や共感的な関心を通じて、将来の犯罪行動の少なさと関連することが示されています。ただしこれは相関関係であり、視点取得を高めれば必ず犯罪が減ると直接証明されたわけではありません。

RELATED同じ分野の用語

向社会的行動傍観者効果偏見内集団ひいき同調服従

出典

  1. Martinez, A. G., Stuewig, J., & Tangney, J. P. (2014). Can perspective-taking reduce crime? Examining a pathway through empathic-concern and guilt-proneness. Personality and Social Psychology Bulletin, 40(12), 1659-1667.
  2. Stietz, J., Jauk, E., Krach, S., & Kanske, P. (2019). Dissociating empathy from perspective-taking: evidence from intra- and inter-individual differences research. Frontiers in Psychiatry, 10, 126.

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