HOME / ゼロから学ぶ心理学 / 心理学用語辞典 / 活動電位とは

脳と心

活動電位とは

英語: Action potential ・ 更新日 2026-10-04

活動電位とは、神経細胞などの興奮性の細胞で、膜の電位が一瞬だけ大きく逆転する電気的な変化のことです。

01活動電位をくわしく

活動電位の仕組みは、1939年から1952年にかけて、イギリスの生理学者アラン・ホジキンとアンドリュー・ハクスリーによって解明されました。二人はプリマスの海洋生物学研究所で、ヤリイカの巨大軸索(直径およそ1ミリの太い神経線維)を使い、ボルテージクランプ法という電気生理学的な手法によって、興奮時に軸索の膜を流れるイオンの動きを測定しました。

1952年にThe Journal of Physiology誌に発表された一連の論文で、ホジキンとハクスリーは、活動電位の立ち上がりがナトリウムイオンの流入によって、下降がカリウムイオンの流出によって生じることを、定量的な数式モデルとして示しました。この業績により二人は1963年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

この研究は、それまで質的な説明にとどまっていた神経の興奮現象を、数式によって予測できる現象として示した点でも大きな意味を持つとされています。

誤解しやすい点として、活動電位は神経細胞だけでなく筋細胞など他の興奮性細胞にも生じる現象であり、「脳が考えている状態」そのものを指す言葉ではありません。また活動電位は基本的に全か無かの形で生じるため、刺激が強くなっても一つ一つの大きさが変わるわけではなく、発生する頻度などが変化します。

02身近な例

強い痛みを感じたときに反応が速くなるのは、刺激の強さに応じて神経線維を伝わる活動電位の発生する頻度が変化しているためだと考えられています。

03講座で学ぶ

活動電位は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第3章ニューロンはどうやって情報を伝えるのか。電気信号の仕組み

FAQよくある質問

活動電位とは何ですか?

活動電位とは、神経細胞などの興奮性の細胞で、膜の内外の電位が一瞬だけ大きく逆転する電気的な変化のことです。この変化が軸索を伝わることで、信号が遠くまで届きます。

活動電位の仕組みを最初に説明したのは誰ですか?

イギリスの生理学者アラン・ホジキンとアンドリュー・ハクスリーが、1952年にヤリイカの巨大軸索を使った実験から、ナトリウムイオンとカリウムイオンの動きにもとづく数式モデルを発表しました。この業績で1963年にノーベル賞を受賞しています。

刺激が強いと活動電位も大きくなるのですか?

いいえ。活動電位は基本的に『全か無か』の形で生じるため、刺激が強くなっても一つ一つの活動電位の大きさ自体は変わりません。刺激の強さは、主に活動電位が発生する頻度の変化として表れます。

RELATED同じ分野の用語

神経可塑性単眼遮蔽海馬扁桃体レム睡眠ノンレム睡眠

出典

  1. Schwiening, C. J. (2012). A brief historical perspective: Hodgkin and Huxley. The Journal of Physiology, 590(Pt 11), 2571–2575.
  2. Vandenberg, J. I., & Waxman, S. G. (2012). Hodgkin and Huxley and the basis for electrical signalling: a remarkable legacy still going strong. The Journal of Physiology, 590(Pt 11), 2569–2570.

心理学用語辞典の一覧へ(202語)