HOME / ゼロから学ぶ心理学 / 心理学用語辞典 / 扁桃体とは

脳と心

扁桃体とは

英語: Amygdala ・ 更新日 2026-10-04

扁桃体とは、海馬の近くにあり、恐怖などの情動の処理や、情動を伴う記憶の強化に関わる脳の部位のことです。

01扁桃体をくわしく

扁桃体は、側頭葉の内側、海馬の近くにある、左右一対の脳部位です。外部からの様々な感覚情報を受け取り、視床下部や脳幹の各部位に伝える経路を持つことから、恐怖や不安といった情動反応に深く関わるとされています。

2012年にパレとデュヴァルチが発表した論文は、恐怖条件づけと、その消去に関わる扁桃体内の神経回路を詳しく説明しています。恐怖反応を担う出力ニューロンは、扁桃体内の複数の領域から重なり合う抑制入力を受けており、単純な回路ではなく、より複雑なネットワークによって恐怖の表出や消去が制御されていることが示されました。

扁桃体は、情動的な出来事の記憶を強める働きにも関わります。2010年にマーティらが発表した、fMRI研究を対象にした量的メタ分析によると、扁桃体は海馬など周辺の脳部位と相互作用しながら、情動的な出来事に対する知覚処理・意味づけ・注意配分を高め、結果としてその出来事の記憶が残りやすくなることが示されています。

扁桃体は「恐怖の中枢」とだけ説明されることがありますが、それは単純化しすぎた見方です。恐怖条件づけの消去を含む複雑な神経回路を担っており、恐怖以外の情動が伴う出来事の記憶の強さにも影響を与えています。

02身近な例

怖い思いをした出来事ほど鮮明に覚えている、暗い夜道で物音に敏感になる、といった反応には扁桃体の働きが関わっていると考えられています。

03講座で学ぶ

扁桃体は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第3章脳の部位とそれぞれのはたらき。記憶と感情を例に
  2. 第4章夢はなぜ見るのか。夢の内容と感情処理から考える

FAQよくある質問

扁桃体とは何ですか?

扁桃体とは、海馬の近くにあり、恐怖などの情動の処理や、情動を伴う記憶の強化に関わる脳の部位のことです。

扁桃体と海馬の違いは何ですか?

扁桃体は主に恐怖などの情動の処理に関わるのに対し、海馬は出来事の内容や文脈を記憶として結びつける働きを担います。情動を伴う出来事の記憶では、両者が影響し合います。

扁桃体は恐怖だけに関わるのですか?

いいえ。研究では、恐怖以外の情動を伴う出来事の記憶を強める働きにも扁桃体が関わることが示されています。扁桃体の役割は恐怖だけにとどまりません。

RELATED同じ分野の用語

神経可塑性単眼遮蔽海馬レム睡眠ノンレム睡眠錯視

出典

  1. Paré, D., & Duvarci, S. (2012). Amygdala microcircuits mediating fear expression and extinction. Current Opinion in Neurobiology, 22(4), 717-723.
  2. Murty, V. P., Ritchey, M., Adcock, R. A., & LaBar, K. S. (2010). fMRI studies of successful emotional memory encoding: a quantitative meta-analysis. Neuropsychologia, 48(12), 3459-3469.

心理学用語辞典の一覧へ(202語)