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アンヘドニアとは

英語: Anhedonia ・ 更新日 2026-10-03

アンヘドニアとは、以前は楽しめていた活動や出来事に対して、興味や喜びをほとんど感じられなくなる状態のことです。

01アンヘドニアをくわしく

アンヘドニアという言葉は、精神医学において「ほとんどすべての活動に対する興味や喜びの著しい減退」を指す症状として使われてきた。2011年に発表されたDer-AvakianとMarkouによる総説では、アンヘドニアはうつ病だけでなく統合失調症やパーキンソン病、物質使用障害の離脱期などでもみられる「報酬関連の障害」の一種として整理され、脳内では側坐核や前頭前皮質を含む報酬系の働きの変化が関わると指摘されている。

この報酬系とアンヘドニアの関係を具体的に示した研究として、HeshmatiとRusso(2015)のレビューが挙げられる。社会的敗北ストレスを与えられたマウスのうち、およそ3分の2が砂糖水を好んで飲む量が減る「スクロース嗜好性の低下」を示し、これがアンヘドニアの指標として使われる一方、残りの3分の1はそうした変化を示さない「レジリエント」な個体だったことが報告されている。また、大うつ病性障害(MDD)は米国人のおよそ6人に1人が経験するとされ、その中でも薬物治療に反応しにくい患者は3分の1ほどに上るとされ、アンヘドニアはその中核症状として研究対象になっている。

ただし、アンヘドニアは「楽しめない」という一言で語られがちだが、研究者の間では、刺激を「好む」ことと、それを得ようと「欲する」こと、報酬の価値を見積もること、行動を選択することは、脳内でそれぞれ別の仕組みによって支えられている可能性が指摘されている。そのため、動物実験で使われる指標(スクロース嗜好性など)が、ヒトの主観的な喜びの乏しさをどこまで正確に反映しているかについても、今なお議論が続いている。

02身近な例

たとえば、以前は好きだった音楽や食事に対して、何も感じられず「どうでもいい」と思ってしまうような状態が、アンヘドニアの一例として挙げられる。

03講座で学ぶ

アンヘドニアは、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第15章うつ病とは何か。抑うつ障害の症状と頻度

FAQよくある質問

アンヘドニアとは何ですか?

アンヘドニアとは、以前は楽しめていた活動や出来事に対して、興味や喜びをほとんど感じられなくなる状態のことです。

アンヘドニアとうつ病の違いは何ですか?

アンヘドニアはうつ病の中核症状の一つとして研究されているが、うつ病そのものではない。うつ病の診断には気分の低下や睡眠・食欲の変化など他の基準も必要であり、アンヘドニア自体は統合失調症やパーキンソン病、物質使用障害の離脱期など、うつ病以外の状態でも報告されている。

アンヘドニアは本人の意欲や性格の問題なのですか?

研究では、アンヘドニアは側坐核などの報酬系と呼ばれる脳の回路の働きの変化と関連づけて調べられており、単純な意欲不足や性格の問題として説明されるものではないとされている。ただし研究の多くは動物モデルを用いたものであり、その結果がヒトの経験にどこまで当てはまるかは今も研究が続いている。

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出典

  1. Der-Avakian A, Markou A (2012). The neurobiology of anhedonia and other reward-related deficits. Trends in Neurosciences, 35(1), 68-77.
  2. Heshmati M, Russo SJ (2015). Anhedonia and the brain reward circuitry in depression. Current Behavioral Neuroscience Reports, 2(3), 146-153.

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