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汎適応症候群とは

英語: General Adaptation Syndrome (GAS) ・ 更新日 2026-10-03

汎適応症候群とは、ストレッサー(ストレスの原因となるもの)にさらされた生体が、警告反応期・抵抗期・疲弊期という3つの段階を経て反応していく過程のことです。

01汎適応症候群をくわしく

ハンガリー出身の生理学者ハンス・セリエは、1935年にモントリオールで卵巣や胎盤の抽出液をラットに注射する実験を行っていました。新しいホルモンを見つけようとしていたのですが、何を注射しても副腎皮質の肥大、胸腺や脾臓・リンパ節の萎縮、胃や腸の出血・潰瘍という3つの共通した変化が起きることに気づき、これがきっかけとなって汎適応症候群という考え方が生まれました。

セリエは、ストレッサーにさらされた生体の反応を3つの段階に分けました。まず防衛力が急に動員される「警告反応期」(6〜48時間ほど)、続いてストレッサーに適応しようとする「抵抗期」、そして長く続くと生体の機能が落ちてしまう「疲弊期」です。

セリエ自身は、1976年に発表した総説の中で、ストレスやストレッサー、汎適応症候群といった用語の「正確な定義」や、全身の反応と体の一部だけの反応との関係など、まだ解決していない問題が残っていることを認めていました。

セリエの研究は10回ノーベル賞候補に挙がりながら受賞には至りませんでしたが、その後ストレス研究は酸化ストレスや心理的ストレスなど、さまざまな分野に広がり、現在では関連する論文は13万件以上にのぼるとされています。

02身近な例

大きな締め切りを控えて一時的に集中力が高まるのは「抵抗期」に近く、それが長く続いて体調を崩してしまうのは「疲弊期」に近い状態として説明されることがあります。

03講座で学ぶ

汎適応症候群は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第14章ストレスに体はどう反応するのか。セリエの汎適応症候群

FAQよくある質問

汎適応症候群とは何ですか?

汎適応症候群とは、ストレッサーにさらされた生体が、警告反応期・抵抗期・疲弊期という3つの段階を経て反応していく過程のことです。1930年代にハンス・セリエがラットの実験から提唱しました。

汎適応症候群は本当に正しい理論なのですか?

提唱者のセリエ自身が1976年の論文で、用語の定義や全身反応と局所反応の関係など、未解決の問題が残っていると述べています。発見から長い年月が経ち、ストレス研究はより細かいテーマに分かれて進んでいます。

警告反応期・抵抗期・疲弊期の違いは何ですか?

警告反応期はストレッサーに直面した直後に防衛反応が急に強まる段階、抵抗期はその状態に適応しようとする段階、疲弊期は適応が長く続いた結果、生体の機能が落ちてしまう段階です。

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出典

  1. Rochette, L., Dogon, G., & Vergely, C. (2023). Stress: Eight Decades after Its Definition by Hans Selye: 'Stress Is the Spice of Life'. Brain Sciences, 13(2), 310.
  2. Selye, H. (1976). Forty years of stress research: principal remaining problems and misconceptions. Canadian Medical Association Journal, 115(1), 53-56.

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