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健康心理学コルチゾールとは
英語: Cortisol ・ 更新日 2026-10-03
コルチゾールとは、ストレスを受けたときに脳の視床下部・下垂体・副腎系(HPA軸)の働きによって副腎皮質から分泌される、代表的な糖質コルチコイドホルモンのことです。
01コルチゾールをくわしく
コルチゾールの分泌は、脳の視床下部・下垂体・副腎皮質という3つの器官が連携して働く「HPA軸」という仕組みによって調節されている。2006年に発表されたSmithとValeによる総説では、ストレスは「恒常性に対する現実の、あるいは認知された脅威」と定義され、視床下部からの副腎皮質刺激ホルモン放出因子が下垂体を刺激して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を促し、それが副腎皮質からのコルチゾール分泌につながる一連の流れが説明されている。分泌されたコルチゾールは、海馬や前頭前皮質を介したフィードバックによって、過剰に出すぎないよう自らその分泌を抑える仕組みも持っている。
2025年に発表されたGutierrez Nunezらによる総説では、慢性的なストレスが続くとこのフィードバックの働きが乱れ、コルチゾールを受け取る糖質コルチコイド受容体の感受性が落ちる「受容体抵抗性」が生じることが指摘されている。その結果、免疫を抑える働きが弱まり、炎症を促す物質が増えやすくなるとされ、同総説では、慢性ストレスによってHPA軸の調節が乱れると、コルチゾールの分泌量が高いままになる場合だけでなく、逆に低くなる状態に移行する場合もあることが示されている。
このように、コルチゾールは「ストレスホルモン」と一言で呼ばれることが多いが、分泌量の多さそのものが単純に「ストレスが強い」ことを意味するわけではない。慢性的なストレスのもとでは分泌量が増える場合も減る場合もあり、HPA軸の働き方は個人差や状況によって大きく異なることが、複数の総説で指摘されている。
02身近な例
たとえば、大事な発表の前に心臓がドキドキしたり、手に汗をかいたりするときには、体内でコルチゾールの分泌量が増えていると考えられている。
03講座で学ぶ
コルチゾールは、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
コルチゾールとは何ですか?
コルチゾールとは、ストレスを受けたときに脳の視床下部・下垂体・副腎系(HPA軸)の働きによって副腎皮質から分泌される、代表的な糖質コルチコイドホルモンのことです。
コルチゾールとアドレナリンの違いは何ですか?
どちらもストレス時に関わるホルモンだが、分泌される経路が異なる。アドレナリンは副腎髄質から出され自律神経系を介して素早く働くのに対し、コルチゾールは副腎皮質から出され、視床下部・下垂体・副腎という段階を経るHPA軸という仕組みを介して分泌される。
コルチゾールの値を自分で下げることはできますか?
コルチゾールの分泌量はストレスの種類や個人差など様々な要因によって変動することが研究で示されているが、特定の行動が誰にとっても同じように数値を下げると一概に言えるものではなく、健康状態に関わる判断は専門家の確認が必要とされている。
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出典
- Smith SM, Vale WW (2006). The role of the hypothalamic-pituitary-adrenal axis in neuroendocrine responses to stress. Dialogues in Clinical Neuroscience, 8(4), 383-395.
- Gutierrez Nunez S, Peixoto Rabelo S, Subotic N, Caruso JW, Knezevic NN (2025). Chronic Stress and Autoimmunity: The Role of HPA Axis and Cortisol Dysregulation. International Journal of Molecular Sciences, 26(20), 9994.