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健康心理学

コーピングとは

英語: Coping ・ 更新日 2026-10-04

コーピングとは、ストレスを感じる状況に対処するために、人が意識的に行う認知的・行動的な努力のことです。

01コーピングをくわしく

心理学者リチャード・ラザルスとスーザン・フォルクマンは1984年の著書で、ストレスを人と環境との相互作用として捉える「交流的ストレスモデル」を提唱しました。Ghaffariら(2021)の説明によれば、このモデルでは、人がストレッサーに直面すると、まず状況の重大さを判断する「一次評価」を行い、脅威と判断された場合には、自分が利用できる対処の資源を評価する「二次評価」を行います。コーピングは、この評価の結果に応じて選ばれる、対処のための認知的・行動的な努力を指します。

ラザルスとフォルクマンは、コーピングを大きく2つに分類しました。Hartley & MacLean(2008)の整理によれば、「問題対処型コーピング」はストレスの原因となっている状況そのものを変えようとする対処であり、「情動対処型コーピング」はストレッサーそのものではなく、それに伴う不快な感情を和らげようとする対処です。Ghaffariら(2021)も、問題対処型は「ストレスの原因を取り除く、または変えようとする」対処、情動対処型は「状況についての考え方や感じ方を変える」対処だと説明しています。

この問題対処型・情動対処型という大枠の中には、具体的な対処の仕方がいくつも含まれます。たとえば、問題や感情から距離を置こうとする「回避型コーピング」や、出来事の意味を前向きに捉え直す「前向きな再評価」は、いずれもコーピングという大きな枠組みの中の、個別の対処方略の例です。

誤解されやすい点として、コーピングは「問題対処型が良く、情動対処型が悪い」という単純な優劣では説明できません。その後の研究では、問題対処型と情動対処型を組み合わせた混合型のコーピングも想定されるようになっており、コーピングは状況に応じて柔軟に使い分けられる、幅の広い概念だと考えられています。

02身近な例

仕事で大きな失敗をしたとき、上司に相談して対応策を考えるのも、気持ちを落ち着けるために友人に話を聞いてもらうのも、どちらもコーピングの一例です。

03講座で学ぶ

コーピングは、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第14章ストレスの感じ方はなぜ人によって違うのか。認知的評価とコーピング
  2. 第14章ストレスにどう対処すればよいのか。コーピングの種類と効果

FAQよくある質問

コーピングとは何ですか?

コーピングとは、ストレスを感じる状況に対処するために、人が意識的に行う認知的・行動的な努力のことです。問題そのものに働きかける「問題対処型」と、感情を和らげようとする「情動対処型」に大きく分けられます。

コーピングとストレスの違いは何ですか?

ストレスは、ストレッサーによって体や心に引き起こされる反応を指します。コーピングは、そのストレスに対処するために人が行う、意識的な努力や工夫を指す言葉です。

問題対処型と情動対処型はどちらが良いコーピングですか?

どちらが優れているとは単純には言えません。Hartley & MacLean(2008)などの研究でも、同じ出来事に対して両方のタイプの対処が使われることが示されており、状況によって使い分けられるとされています。

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回避型コーピング前向きな再評価マインドフルネス生物心理社会モデル生物医学モデルコルチゾール

出典

  1. Ghaffari, M., Morowatisharifabad, M. A., Jadgal, M. S., Mehrabi, Y., & Alizadeh, S. (2021). The effectiveness of intervention based on the transactional model on improving coping efforts and stress moderators in hemodialysis patients in Tehran: a randomized controlled trial. BMC Nephrology, 22, 377.
  2. Hartley, S. L., & MacLean, W. E. Jr. (2008). Coping Strategies of Adults with Mild Intellectual Disability for Stressful Social Interactions. Journal of Mental Health Research in Intellectual Disabilities, 1(2), 109-127.

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