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臨床心理学ドードー鳥の評決とは
英語: Dodo bird verdict ・ 更新日 2026-10-03
ドードー鳥の評決とは、効果が実証された様々な心理療法を比較すると、その効果に大きな差が見られないことが多いという、心理療法研究における経験的な知見を指す言葉のことです。
01ドードー鳥の評決をくわしく
ドードー鳥の評決という呼び方は、1936年に心理学者ソール・ローゼンツワイグが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に登場するドードー鳥が「みんなが勝ったのだから、みんなに賞品をあげなければ」と言う場面を引用し、様々な心理療法が同じように効果を示しうることをたとえたことに由来する。2015年に発表されたWampoldによるレビューでもこの由来が紹介されており、心理療法同士を比較した研究では、技法そのものの違いよりも、治療同盟や共感といった、どの療法にも共通する要因の影響が大きいことが指摘されている。
この考え方を具体的に検証した研究として、2013年に発表されたBraunらによるメタ分析がある。うつ病の成人を対象に、認知行動療法・行動活性化療法・精神力動的療法・対人関係療法・支持的精神療法を比較したところ、治療終了時点では支持的精神療法のみが他の療法よりやや効果が小さく、それ以外の療法同士の間には統計的に意味のある差が見られなかった。さらに、治療後の追跡調査ではどの療法の間にも有意差が見られなくなったことも報告されている。論文は、この結果を「ドードー鳥の評決は、間違った問いに対する正しい答えであるようだ」とまとめている。
一方で、Wampold(2015)のレビューでは、治療同盟やセラピストへの共感といった、どの療法にも共通する要因の効果量が、特定の技法そのものによる効果量よりもかなり大きいことが示されている。つまりこの評決は「すべての療法が全く同じ」という意味ではなく、技法の違いよりも共通要因の影響が大きい傾向を表すものと理解されている。治療のセッション時間など条件によって療法間に差が見られる場合もあり、議論は現在も続いている。
02身近な例
たとえば、同じうつ病の治療でも、認知行動療法と対人関係療法のどちらを受けた人も、治療の終わりには同じくらい症状が改善していた、という研究結果が、ドードー鳥の評決の典型例として紹介されることが多い。
03講座で学ぶ
ドードー鳥の評決は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
ドードー鳥の評決とは何ですか?
ドードー鳥の評決とは、効果が実証された様々な心理療法を比較すると、その効果に大きな差が見られないことが多いという、心理療法研究における経験的な知見を指す言葉のことです。
ドードー鳥の評決は、どの心理療法を選んでも同じという意味ですか?
技法そのものによる効果の差は小さい傾向があるものの、治療同盟のような共通要因の質は結果に影響するとされており、またセッション時間など条件によっては療法間に差が見られる研究もあるため、「何を選んでも全く同じ」と単純化できるものではない。
ドードー鳥の評決という名前の由来は何ですか?
1936年に心理学者ソール・ローゼンツワイグが、『不思議の国のアリス』に登場するドードー鳥の「みんなが勝ったのだから、みんなに賞品をあげなければ」というセリフを引用して、様々な心理療法が同じように効果を示しうることをたとえたことに由来する。