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臨床心理学

系統的脱感作とは

英語: Systematic desensitization ・ 更新日 2026-10-03

系統的脱感作とは、リラックスした状態を保ちながら、弱い不安を感じる場面から段階的に強い不安を感じる場面へと想像や体験を重ねていくことで、特定の対象や状況への不安反応を弱めていく行動療法の技法のことです。

01系統的脱感作をくわしく

系統的脱感作は、南アフリカ出身の精神科医ジョセフ・ウォルピが1950年代に開発した技法である。2011年にDubordが『Canadian Family Physician』誌に書いた解説記事では、ウォルピが、不安とリラックス(弛緩)という二つの状態は同時には起こりにくいという考え方(相互制止)に基づき、不安を引き起こす場面を軽いものから強いものへと順位づけした不安階層表を作り、リラックスした状態を保ったまま、その階層を段階的に進んでいく手順を確立したことが紹介されている。

この技法の効果を調べた研究の一つに、2020年のThngらによるレビューで紹介されている、飛行機への恐怖を対象にしたTriscariら(2015)の研究がある。そこでは、系統的脱感作を組み合わせた認知行動療法(22人が参加)と、別の技法を組み合わせた認知行動療法を比較したところ、治療直後および1年後の追跡調査のいずれにおいても3つの治療法の間に差はなく、いずれも大きな効果量で不安が減少したことが報告されている。

ただし、Dubord(2011)の記事でも触れられているように、系統的脱感作は不安階層表の作成や段階的な実施に時間がかかり、他の技法と比べて手間がかかるという指摘もある。また、Thngら(2020)のレビューが示すように、現在の恐怖症治療の研究では現実内暴露など他の技法と組み合わせたり比較したりする研究が多く、系統的脱感作だけを単独で検証した近年の研究は少ない。そのため、系統的脱感作が唯一の、あるいは最も優れた方法と単純に言い切ることはできないとされている。

02身近な例

たとえば、注射が怖い人が、まず注射の写真を見ることから始め、次に病院の匂いを想像し、最終的には実際に注射を受ける場面まで、リラックスした状態を保ちながら段階的に慣れていく、というのが系統的脱感作の典型的な進め方である。

03講座で学ぶ

系統的脱感作は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第16章心理療法にはどんな立場があるのか

FAQよくある質問

系統的脱感作とは何ですか?

系統的脱感作とは、リラックスした状態を保ちながら、弱い不安を感じる場面から段階的に強い不安を感じる場面へと想像や体験を重ねていくことで、特定の対象や状況への不安反応を弱めていく行動療法の技法のことです。

系統的脱感作と暴露療法(エクスポージャー)の違いは何ですか?

系統的脱感作は、リラックスした状態を保ちながら弱い場面から段階的に進めていく技法で、暴露療法の一種として位置づけられている。一方、現実の場面に直接触れる「現実内暴露」のように、リラックスの手順を介さずに不安場面へ直接触れる技法もあり、研究では両者が別のアプローチとして扱われている。

系統的脱感作は今でも効果があるとされていますか?

2015年のTriscariらによる研究では、系統的脱感作を組み合わせた治療も、他の新しい技法を組み合わせた治療と同程度の大きな効果量を示したことが報告されている。ただし近年は他の技法と組み合わせたり比較したりする研究が中心で、単独の技法としての検証は少ないとされている。

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出典

  1. Dubord G (2011). Part 12. Systematic desensitization. Canadian Family Physician, 57(11), 1299.
  2. Thng CEW, Lim-Ashworth NSJ, Poh BZQ, Lim CG (2020). Recent developments in the intervention of specific phobia among adults: a rapid review. F1000Research, 9, F1000 Faculty Rev-195.

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