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臨床心理学自然寛解とは
英語: Spontaneous remission ・ 更新日 2026-10-04
自然寛解とは、専門的な治療を受けていなくても、心理的な問題や症状が時間の経過とともに自然に軽快する現象のことです。
01自然寛解をくわしく
自然寛解とは、心理的な問題や精神疾患の症状が、専門的な治療を受けていなくても時間の経過とともに自然に軽快し、診断基準を満たさなくなる現象のことです。うつ病や物質使用の問題など、さまざまな問題で観察されており、治療の効果を調べる研究では、治療群と比較するための「無治療」や「経過観察」の対照群を置く理由のひとつになっています。
うつ病に関する研究では、治療を受けなかった、あるいは通常のケアのみを受けた患者の中にも、一定期間後に診断基準を満たさなくなる人が一定の割合で存在することが報告されています。Cuijpers と Cristea(2015)は、通常ケアのみの群でも48%の患者がうつ病の診断基準を満たさなくなったと報告し、心理療法の効果のうち、自然な改善を超える「上乗せ」の部分は限られると論じました。
薬物使用の問題についても、自然寛解が重要なパターンとして報告されています。Priceら(2001)がベトナム戦争帰還兵などを25年間追跡した研究では、20代前半までに薬物使用を始めた人の多くが、専門的な治療を受けないまま徐々に薬物使用をやめていき、自然寛解が「例外ではなく通常のパターン」であったことが示されました。
ただし、自然寛解が見られるからといって、すべての人が治療なしで回復するわけではなく、重症の場合や回復までに長い年月がかかる場合もあります。自然寛解の存在は、心理的な問題への対応を軽視する根拠ではなく、治療効果を正しく評価するために対照群と比較することの大切さを示すものだと理解されています。
02身近な例
強いストレスで気分の落ち込みが続いていた人が、特別な治療を受けなくても、環境の変化や時間の経過とともに徐々に気分が回復していくことがあります。これも自然寛解の一例と考えられます。
03講座で学ぶ
自然寛解は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
自然寛解とは何ですか?
自然寛解とは、特別な治療を受けていなくても、心理的な問題や症状が時間の経過とともに自然に軽快し、診断基準を満たさなくなることです。
自然寛解と治療による寛解の違いは何ですか?
治療による寛解は心理療法や薬物療法などの介入の結果として生じる改善を指しますが、自然寛解は特定の治療を受けていない状態で生じる改善を指します。研究では両者の効果を区別するために、無治療や通常ケアの対照群が設けられることがあります。
自然寛解があるなら治療は不要ということですか?
いいえ。自然寛解は一定の割合で生じる現象ですが、全員に当てはまるわけではなく、回復までの期間や程度には個人差があります。症状が長く続く場合や生活に支障がある場合は、専門家への相談も選択肢の一つとして挙げられます。
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出典
- Cuijpers, P., & Cristea, I. A. (2015). What if a placebo effect explained all the activity of depression treatments? World Psychiatry, 14(3), 310-311.
- Price, R. K., Risk, N. K., & Spitznagel, E. L. (2001). Remission from drug abuse over a 25-year period: patterns of remission and treatment use. American Journal of Public Health, 91(7), 1107-1113.