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表現的ライティングとは

英語: Expressive Writing ・ 更新日 2026-10-03

表現的ライティングとは、悩みや感情を短い時間で書き出す方法のことです。心理学者ペネベーカー(James Pennebaker)が心身への影響を研究しました。

01表現的ライティングをくわしく

表現的ライティングは、1986年に心理学者ペネベーカーらが始めた手法で、つらい体験についての最も深い考えや感情を、短い時間(たとえば1日20分ほどを数日間連続)で書き出すというものです。2011年のMosherらの論文でも、先行研究として「個人的なストレッサーについて深い思考と感情を書くよう指示された人は、中立的な話題について書いた人に比べ、ウェルビーイングの向上と医療受診の減少を示した」と紹介されています。

同論文で触れられている2006年のFrattaroliによるメタ分析では、表現的ライティングは主に健康な人において心理的ウェルビーイングへの正の効果が見られたとされています。

ただし効果は一様ではありません。2011年にMosherらが転移性乳がん患者を対象に行ったランダム化比較試験では、表現的ライティングは実存的・心理的ウェルビーイング、疲労、睡眠の改善をもたらさず、むしろ表現的ライティングを行った群の方が、対照群よりメンタルヘルスサービスの利用率が2倍以上高いという結果になりました。

2015年にZhouらが乳がん患者を対象に行ったメタ分析(11件のランダム化比較試験、1178名)でも、3か月以内の短期では身体症状の改善が見られましたが、3か月を超えると効果は続かず、心理的な健康への有意な改善も確認されませんでした。深刻な病気を抱える人には、効果が限定的である可能性があります。

02身近な例

嫌な出来事があった日に、そのときの気持ちを20分ほどノートに書き出してみる、というのが表現的ライティングの典型的なやり方です。

RESEARCH研究の解説記事

お金の不安は書き出すと軽くなる?表現的ライティングの研究(お金と心理)

FAQよくある質問

表現的ライティングとは何ですか?

表現的ライティングとは、悩みや感情を短い時間で書き出す方法のことです。心理学者ペネベーカーが心身への影響を研究しました。

表現的ライティングは誰にでも効果がありますか?

健康な人を対象にした研究では心理的な効果が報告されていますが、乳がん患者を対象にした研究では、身体的な短期効果はあっても心理的な改善や長期効果は確認されず、対象者によって効果が異なる可能性があります。

表現的ライティングと日記の違いは?

日々の出来事を記録する日記と異なり、表現的ライティングは特定のつらい体験について、感情を深く掘り下げて書くことを目的に、短期間集中して行う方法です。

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出典

  1. Mosher, C. E., DuHamel, K. N., Lam, J., Dickler, M., Li, Y., Massie, M. J., & Norton, L. (2012). Randomized Trial of Expressive Writing for Distressed Metastatic Breast Cancer Patients. Psychology & Health, 27(1), 88-100.
  2. Zhou, C., Wu, Y., An, S., & Li, X. (2015). Effect of Expressive Writing Intervention on Health Outcomes in Breast Cancer Patients: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. PLoS One.

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