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脳と心流動性能力とは
英語: Fluid Ability ・ 更新日 2026-10-04
流動性能力とは、これまでに学んだ知識や経験に頼らず、新しい状況やまだ慣れていない問題に対して、その場で筋道を立てて考え、対応する力のことです。
01流動性能力をくわしく
流動性能力(Gf)は、知識や経験だけでは解決できない新しい問題に対して、筋道を立てて考え、その場で対応する力を指します。一方、学校教育や仕事、生活の中で身につけた知識や言葉の運用力は「結晶性能力(Gc)」と呼ばれます。心理学者キャッテルが示した、この二つの能力を分けて捉える考え方は、今も知能研究の基本的な枠組みとして使われています。
年齢との関係を調べた研究では、情報処理の速さが年齢との相関が最も強く(r=-0.63程度)、結晶性能力との相関はそれよりも緩やかである(r=-0.37程度)ことが示されています。従来、語彙などの結晶性能力は60代ごろまで伸び続けるとされてきましたが、流動的な能力は成人期の早い時期から徐々に低下していく傾向があり、両者は年齢とともに異なる経過をたどりやすいとされています。
10代を対象にした1年間の追跡調査では、知的好奇心が高い生徒ほど流動性能力が伸びやすく、逆に流動性能力が高い生徒ほど知的好奇心も伸びやすいという、互いに支え合うような関係が見られました。一方で、流動性能力の高さがそのまま結晶性能力の伸びにつながるとは言えず、知識の蓄積には別の要因も関わっていることがうかがえます。
流動性能力は、初めての道具の使い方を覚えたり、慣れない問題に対処したりする場面で特に役立ちます。年齢や経験だけで決まるものではなく、処理速度や取り組む姿勢など複数の要因が絡み合っているため、日々の工夫によって多少変化しうる柔らかな能力だと考えられます。
02身近な例
例えば、初めて訪れた土地で地図アプリの使い方をその場で理解し、知らない道でも目的地までのルートを考えて進める場面は、流動性能力が働いている例といえます。
03講座で学ぶ
流動性能力は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
流動性能力とは何ですか?
流動性能力とは、これまでの知識や経験に頼らず、新しい問題やまだ慣れていない状況にその場で対応し、考えを組み立てていく力のことです。
流動性能力と結晶性能力の違いは?
流動性能力は新しい問題にその場で対応する力であるのに対し、結晶性能力は教育や経験を通じて身につけた知識や言葉の運用力を指します。研究では、処理速度が年齢との相関が特に強く、結晶性能力はしばらく伸び続ける傾向があることが示されています。
流動性能力は年齢とともに低下しますか?
研究によれば、流動性能力は成人期の早い時期から徐々に低下していく傾向がある一方、結晶性能力はしばらく伸び続けることが多いとされています。ただし低下の速さには個人差があり、処理速度など複数の要因が関わっています。
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出典
- Menor, J. (2026). Processing speed moderates the relationship between age and crystallized intelligence and influences the indirect effect of age on verbal working memory in middle-aged and older adults. Frontiers in Aging Neuroscience, 18, 1736609.
- Scherrer, V., Breit, M., & Preckel, F. (2024). Crystallized Intelligence, Fluid Intelligence, and Need for Cognition: Their Longitudinal Relations in Adolescence. Journal of Intelligence, 12(11), 104.