HOME / 日常の心理学 / 心理学用語辞典 / 未来の自分との連続性とは
お金の心理学(行動経済学)未来の自分との連続性とは
英語: Future Self-Continuity ・ 更新日 2026-10-03
未来の自分との連続性とは、将来の自分を、今の自分とつながった同じ人としてどれだけ感じられるかの度合いのことです。心理学者ハーシュフィールド(Hal Hershfield)らが貯蓄行動との関係を研究しています。
01未来の自分との連続性をくわしく
心理学者ハーシュフィールドは2011年の論文で、未来の自分との連続性を「現在の自分と未来の自分がどれだけつながっていると感じるか」という心理的な度合いとして説明し、未来の自分が現在の自分と似ている(類似性)、鮮明で現実的に想像できる(鮮明性)、好ましく見える(肯定性)ほど、人は将来のために今の選択をしやすくなると述べています。
同論文で紹介された研究では、未来の自分との類似性を強く感じる人ほど、遅い報酬を選びやすく、実際の貯蓄行動とも正の関係が見られました。年齢を重ねた自分の顔を見せる仮想現実の実験でも、未来の自分の姿を鮮明に見た人は、退職後の資金への配分を増やす傾向が示されました。
一方で著者自身は、類似性・鮮明性・肯定性という3つの要素が互いにどう影響し合うのかは十分に解明されておらず、年齢によって未来の自分への感じ方がどう変化するのかも研究が足りないと指摘しています。仮想現実技術はコストが高く、実際の金融機関で広く使うのは難しいという課題もあります。
2016年のRuttとLöckenhoffの研究では、高齢の参加者ほど若い参加者よりも、未来の自分との連続性を強く感じる傾向が見られ、年齢を重ねるほど未来の自分への類似性の感じ方が変化することが示されています。
02身近な例
将来のために毎月少し貯金するか、今すぐ使ってしまうかという迷いには、未来の自分をどれだけ身近に感じられるかが関係していると考えられています。
RESEARCH研究の解説記事
将来の自分のために貯金できないのはなぜ?時間割引の研究(お金と心理)
FAQよくある質問
未来の自分との連続性とは何ですか?
未来の自分との連続性とは、将来の自分を、今の自分とつながった同じ人としてどれだけ感じられるかの度合いのことです。この度合いが高いほど、将来のために今の選択をしやすくなるとされています。
未来の自分との連続性を高めるとどうなりますか?
類似性・鮮明性・肯定性が高まるほど、将来のために今我慢する選択をしやすくなることが研究で示されています。ただし、これらの要素がどのように相互作用するのかは十分に分かっていません。
年をとると未来の自分への感じ方は変わりますか?
ある研究では、高齢の人の方が若い人より未来の自分とのつながりを強く感じる傾向が見られましたが、その仕組みはまだ研究が進んでいる段階です。
RELATED同じ分野の用語
出典
- Hershfield, H. E. (2011). Future self-continuity: how conceptions of the future self transform intertemporal choice. Annals of the New York Academy of Sciences, 1235, 30-43.
- Rutt, J. L., & Löckenhoff, C. E. (2016). From Past to Future: Temporal Self-Continuity Across the Life Span. Psychology and Aging.