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生理心理学

有毛細胞とは

英語: Hair cell ・ 更新日 2026-10-05

有毛細胞とは、蝸牛の中にある感覚細胞で、基底膜の振動を神経の電気信号に変換する細胞のことです。

01有毛細胞をくわしく

有毛細胞の表面には「不動毛(ステレオシリア)」と呼ばれる、アクチンというたんぱく質でできた毛のような突起が束になって生えています。隣り合う不動毛どうしは「チップリンク」と呼ばれる糸状の構造でつながっており、これはCDH23とPCDH15という2種類のカドヘリンたんぱく質からできています。音による振動で不動毛が傾くとチップリンクが引っ張られてイオンの通り道が開き、電気信号が生まれますが、このチャネルの正体そのものは2012年の時点でもまだ特定されていませんでした。

蝸牛の中にあるコルチ器には、内側に1列の「内有毛細胞」、外側に3列の「外有毛細胞」が並んでいます。内有毛細胞は振動の情報を聴神経に伝える役目を持ち、外有毛細胞は基底膜の振動そのものを増幅させる役目を持つというように、同じ有毛細胞でも働きが分かれています。

有毛細胞には大きな弱点があります。鳥や魚の有毛細胞は失われても別の細胞から新しく作られますが、人を含む哺乳類の有毛細胞は一度失われると自然には再生しないと考えられています。そのため、大きな音や加齢、薬の影響などで有毛細胞が傷つくと、難聴が続いてしまうことが多いとされています。

「有毛細胞」という名前から体毛のような毛が生えていると誤解されやすいですが、不動毛は毛根を持つ毛ではなく、細胞自身が作るアクチンというたんぱく質の束です。また、有毛細胞そのものが音を「聞いている」というより、振動を電気信号に変える中継点だと考えると、蝸牛全体の働きとの関係がつかみやすくなります。

02身近な例

大きな音を長時間聞いた後に耳がこもったように感じるのは、有毛細胞が一時的に働きにくくなっているサインのひとつだと考えられています。

03講座で学ぶ

有毛細胞は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第5章耳はどうやって音を「聞く」に変えるのか。聴覚のしくみ

FAQよくある質問

有毛細胞とは何ですか?

有毛細胞とは、蝸牛の中にある感覚細胞で、基底膜の振動を神経の電気信号に変換する細胞のことです。

有毛細胞と蝸牛の違いは?

蝸牛は内耳にある渦巻き状の器官全体を指し、有毛細胞はその中のコルチ器に並ぶ、音の振動を電気信号に変える感覚細胞です。蝸牛という器官の中に、内有毛細胞と外有毛細胞が合わせて多数並んでいます。

有毛細胞は一度傷つくと元に戻らないのですか?

人を含む哺乳類の有毛細胞は、鳥や魚とは異なり、一度失われると自然には再生しないと考えられています。そのため大きな音を聞き続けるなどの負担を避けることが大切だとされています。

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出典

  1. Kazmierczak, P., & Müller, U. (2012). Sensing Sound: Molecules that Orchestrate Mechanotransduction by Hair Cells. Trends in Neurosciences, 35(4), 220-229.
  2. Fujioka, M., Okano, H., & Edge, A. S. B. (2015). Manipulating cell fate in the cochlea: a feasible therapy for hearing loss. Trends in Neuroscience, 38(3), 139-144.

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