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お金の心理学(行動経済学)

心の会計とは

英語: Mental Accounting ・ 更新日 2026-10-03

心の会計とは、お金を出どころや使い道ごとに頭の中で別々の「口座」に分けて扱う傾向のことです。行動経済学者セイラー(Richard Thaler)が提唱しました。

01心の会計をくわしく

行動経済学者セイラーは1999年の論文「Mental Accounting Matters」で、心の会計を「個人や家庭が、お金の出入りを整理・評価・管理するために使う一連の心的な処理」として紹介しました。2025年のLiとFeldmanによる再現研究では、この枠組みが、人がお金を出どころや使い道ごとに別々の心的な勘定に分けて考え、本来は交換可能なはずのお金を実際には交換可能でないものとして扱う、という考え方だとまとめられています。

LiとFeldmanの2025年の再現研究は、Thaler(1999)が紹介した17の古典的な問題を実際に再実験し、11問題で元の結果と同様の傾向を確認し、3問題は部分的な支持、3問題は支持が得られなかったと報告しました。たとえば利得が関わる場面では84%の人がリスクを避ける選択をし、損失が関わる場面では56%の人がリスクを取る選択をするという、元の問題と同様の結果が確認されています。

心の会計の代表的な現象の一つが「ハウスマネー効果」で、思いがけない収入を受け取ると、人はより気前よく使い、金銭的なリスクを取りやすくなります。2025年にDanが発表したメタ分析では、この効果の大きさはg=0.37という小〜中程度のもので、実験室の環境で強く出やすく、出版年が新しい研究ほど効果が小さくなる傾向があり、効果がどこまで広く当てはまるかには限界があることが示されました。

02身近な例

同じ1万円でも、「お給料」としてもらうと生活費に使い、「臨時ボーナス」としてもらうと気軽に贅沢品に使ってしまう、といった行動が心の会計の一例です。

RESEARCH研究の解説記事

給料日に散財してしまうのはなぜ?「心の財布」の研究(お金と心理)

FAQよくある質問

心の会計とは何ですか?

心の会計とは、お金を出どころや使い道ごとに頭の中で別々の「口座」に分けて扱う傾向のことです。行動経済学者セイラーが提唱しました。

心の会計とハウスマネー効果の違いは?

心の会計は、お金を使い道ごとに分けて考える心の働き全体を指す概念で、ハウスマネー効果はその一例として、思いがけない収入を受け取ると気前よくリスクを取って使ってしまう現象を指します。

心の会計の効果は本当に再現されますか?

2025年の再現研究では、Thalerが紹介した17の古典的な問題のうち11問題で同様の結果が再現されましたが、3問題では支持されず、すべてが同じように再現するわけではありません。

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アンカリング効果支払いの痛み保有効果現状維持バイアスデフォルト効果快楽順応

出典

  1. Li, M., & Feldman, G. (2025). Revisiting mental accounting classic paradigms: Replication Registered Report of the problems reviewed in Thaler (1999). Royal Society Open Science, 12(9), 250979.
  2. Dan, K. (2025). The role of mental accounting in risk-taking and spending: a meta-analysis of the house-money effect. Frontiers in Psychology.

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