HOME / 日常の心理学 / 心理学用語辞典 / ダチョウ効果とは

お金の心理学(行動経済学)

ダチョウ効果とは

英語: Ostrich Effect ・ 更新日 2026-10-03

ダチョウ効果とは、悪い知らせかもしれない情報を見ないように避ける傾向のことです。相場が下がっているときに投資家が口座を確認しなくなる現象として報告されました。

01ダチョウ効果をくわしく

ダチョウ効果とは、悪い知らせかもしれない情報をあえて見ないようにする傾向のことです。経済学者ニクラス・カールソンらが2009年の論文で、相場が下がっているときに投資家が口座を確認しなくなる現象として報告しましたが、この原典自体はPMCには収録されていません。ここでは、同じ仕組みを確かめたPMC収録の研究を紹介します。

12週間の携帯アプリの減量プログラムに参加した若年成人52人の研究(Hurley et al., 2024)では、目標を達成できていない状態が1つ増えるごとに、プログラムのメッセージを開いて読む可能性が34.8%低くなりました(p<0.0001)。研究者はこれを、目標の失敗に直面する不快感を避けるため情報自体を避ける「ダチョウ問題」の一例と説明しています。

お金の情報回避を調べたレビュー(Harkin, 2017)では、英国の調査で、毎日お金の心配をしている人の90%が月1回も財務状況を確認していないことが紹介されています。別の実験(参加者40人)では、借金について一度考える「熟考」の働きかけを行った群は情報回避が0%だったのに対し、行わなかった群は20%が回避し、差は有意でした。

ダチョウ効果は投資家に限らず、健康やお金の目標達成など、都合の悪い情報全般に見られる傾向だと考えられます。ただし「相場が下がると口座を見る回数が減る」という具体的な現象そのものを確かめたPMC収録の研究は見つかっておらず、ここで紹介したのは、より広い「不都合な情報を避ける」仕組みを示した研究です。

02身近な例

健康診断の結果が気になりつつも、わざと封を切らずに放置してしまうのも、ダチョウ効果の一例と考えられます。

RESEARCH研究の解説記事

お金の話を避けてしまうのはなぜか。「ダチョウ効果」の研究(お金と心理)

FAQよくある質問

ダチョウ効果とは何ですか?

ダチョウ効果とは、悪い知らせかもしれない情報を見ないように避ける傾向のことです。相場が下がっているときに投資家が口座を確認しなくなる現象として提唱されましたが、健康やお金の目標達成の確認を避ける場面でも同じ仕組みが報告されています。

ダチョウ効果はなぜ起こるのですか?

研究では、目標を達成できていないという不快な事実に直面することを避けるため、情報そのものを見ないようにする「動機づけられた情報回避」の一種だと説明されています。

ダチョウ効果はどうすれば減らせますか?

ある実験では、情報を確認する前に状況について一度じっくり考える「熟考」の働きかけによって、情報を避ける人の割合が20%から0%に下がったことが報告されています。あらかじめ考える機会を作ることが、回避を減らす一つの方法として示されています。

RELATED同じ分野の用語

アンカリング効果支払いの痛み保有効果現状維持バイアスデフォルト効果快楽順応

出典

  1. Karlsson, N., Loewenstein, G., & Seppi, D. (2009). The ostrich effect: Selective attention to information. Journal of Risk and Uncertainty, 38(2), 95-115.(背景・原典。PMCには収録されていません)
  2. Hurley, L., Nezami, B. T., Valle, C. G., & Tate, D. F. (2024). Motivated information avoidance in an mHealth weight loss intervention. Digital Health, 10.
  3. Harkin, B. (2017). Improving financial management via contemplation: Novel interventions and findings in laboratory and applied settings. Frontiers in Psychology, 8, 345.

心理学用語辞典の一覧へ(67語)