HOME / ゼロから学ぶ心理学 / 心理学用語辞典 / 心理運動覚醒検査とは

生理心理学

心理運動覚醒検査とは

英語: Psychomotor Vigilance Task (PVT) ・ 更新日 2026-10-04

心理運動覚醒検査(PVT)とは、画面に出た合図にできるだけ早く反応する課題を使って、注意を持続させる力(覚醒水準)を測る検査のことです。1985年にディンジェスとパウエルによって考案されました。

01心理運動覚醒検査をくわしく

PVTでは、2〜10秒のランダムな間隔で画面に信号が表示され、参加者はできるだけ早くボタンを押して反応します。10分間の実施でも睡眠不足の影響を鋭く検出できることが知られており、反応時間が500ミリ秒以上かかった場合を「ラプス(lapse)」と呼び、注意が途切れた回数として数えます。

2012年にバスナー(Basner)とディンジェス(Dinges)が行った研究では、実施時間を調整したバージョンのPVTでも、睡眠を制限したときの注意力の変化を正確に追跡できることが示されました。学習による慣れの影響がほとんどなく、繰り返しても結果が安定しやすいという特徴も報告されています。

2014年のアベ(Abe)らの論文では、この検査が実験室だけでなく、交代勤務や航空分野など、眠気が事故につながりやすい現場でも使われていることが紹介されています。実施時間をさらに短くした「PVT-B(約3分)」は、国際宇宙ステーションでの宇宙飛行士の覚醒水準の確認にも使われました。

ただし、PVTはあくまで注意を持続させる力を測るものであり、記憶力や判断力など、他の認知機能の低下を直接測るものではありません。眠気の影響を評価する一つの手段として使われている点に注意が必要です。

02身近な例

深夜勤務明けにPVTを受けると、反応するまでの時間が長くなったり、信号に気づかず反応できない「ラプス」が増えたりすることがあります。

03講座で学ぶ

心理運動覚醒検査は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第4章睡眠不足は心と体に何をするのか。慢性的な影響とは

FAQよくある質問

心理運動覚醒検査(PVT)とは何ですか?

心理運動覚醒検査(PVT)とは、画面に出た合図にできるだけ早く反応する課題を使って、注意を持続させる力を測る検査のことです。

PVTと一般的な反応時間テストの違いは?

PVTは特に睡眠不足や眠気による注意力の変化を検出することを目的に作られた検査で、信号が出る間隔をランダムにすることで、予測して反応することを防いでいる点が特徴です。

PVTの結果が悪いとどうなりますか?

反応が遅くなったり、「ラプス」と呼ばれる反応の欠落が増えたりします。研究では、これらの変化が睡眠不足の程度と関係することが示されていますが、個人差もあります。

RELATED同じ分野の用語

ストレスストレッサーカクテルパーティー効果ミュラー・リヤー錯視ウェーバーの法則闘争・逃走反応

出典

  1. Basner M, Dinges DF (2012). An adaptive-duration version of the PVT accurately tracks changes in psychomotor vigilance induced by sleep restriction. Sleep, 35(2), 193-202.
  2. Abe T, Mollicone D, Basner M, Dinges DF (2014). Sleepiness and safety: Where biology needs technology. Sleep and Biological Rhythms, 12(2), 74-84.

心理学用語辞典の一覧へ(202語)