HOME / ゼロから学ぶ心理学 / 心理学用語辞典 / システム2とは

脳と心

システム2とは

英語: System 2 ・ 更新日 2026-10-04

システム2とは、ゆっくりと、意図的に働く、分析的な考え方の過程のことです。心理学者ダニエル・カーネマンらが提唱した二重過程理論では、瞬時に働く直感的な「システム1」と対になる概念として説明されます。

01システム2をくわしく

システム2とは、時間をかけて意識的な努力を伴いながら働く、分析的な思考の過程を指す言葉です。ダニエル・カーネマンらの二重過程理論では、瞬時に自動的に働く「システム1」と対になる概念として位置づけられ、論理的な検討や計算、慎重な判断を担うとされています。

医学教育を対象とした研究では、認知反射テストを使って研修医から専門医までの思考の傾向を比較しています。その結果、研修医では一貫して分析的な回答をした人が41.18%、直感的な回答に終始した人が11.76%だったのに対し、専門医では一貫して分析的な回答をした人が57.14%に増え、直感的な回答に終始した人は8.57%にとどまりました。

同じ研究では、根拠に基づく医学の学習と事例に基づく討論を組み合わせた教育プログラムを受けた群の「一貫して分析的」な回答率が61.11%だったのに対し、従来型の講義を受けた群では44.44%にとどまったことも示されています。この結果は、システム2的な思考が訓練によって伸ばせる可能性を示すものと解釈できます。

一方、合理的な思考と直感的な思考のスタイルを測る尺度を用いたブラジルの研究では、合理的な傾向を示す指標どうしの相関は強い(r=0.69程度)ものの、合理的な指標と直感的な指標との相関は弱い(r=-0.10〜0.20程度)ことが確認されました。この結果は、システム1とシステム2がそれぞれ独立して働く部分を持つという、二重過程理論の考え方を支持するものとされています。

02身近な例

例えば、特売品を見てとっさに手に取ろうとするのは直感的なシステム1の働きですが、価格を比較し本当に必要かどうかを考え直すのはシステム2の働きだと考えられます。

03講座で学ぶ

システム2は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第7章思考とは何か。概念と問題解決の仕組み

FAQよくある質問

システム2とは何ですか?

システム2とは、ゆっくりと、意図的に働く、分析的な考え方の過程のことです。計算や論理的な検討のように、意識的な努力を必要とする思考を指します。

システム1とシステム2の違いは?

システム1は速く自動的に働き、直感や感情にもとづく判断を担うのに対し、システム2はゆっくりと意識的な努力を伴って働き、論理的な検討や慎重な判断を担うとされています。

システム2の思考は訓練で伸ばせますか?

医学教育を対象とした研究では、根拠に基づく学習と事例討論を組み合わせた教育プログラムを受けた群の方が、分析的な「システム2」型の回答をする割合が高まったことが報告されており、訓練によって伸ばせる可能性があると考えられています。

RELATED同じ分野の用語

神経可塑性単眼遮蔽海馬扁桃体レム睡眠ノンレム睡眠

出典

  1. Chen, X., Xu, L., Xu, M., Liu, D., Yang, F., Xu, G., Feng, Q., & Yang, H. (2026). Enhancing Cognitive Reflection in Medical Trainees and Physicians: An EBM-CBL-PBL Integrated Teaching Model. Advances in Medical Education and Practice, 17, 607106.
  2. de Aguiar, J. C., & Tabak, B. M. (2026). Validation of the Rational-Experiential Inventory (REI-40) in Brazilian Portuguese. Behavioral Sciences (Basel), 16(6), 885.

心理学用語辞典の一覧へ(202語)