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心理学の基礎

立証責任とは

英語: Burden of proof ・ 更新日 2026-10-04

立証責任とは、ある主張が正しいことを示す責任は、疑う側ではなく主張する側にあるという考え方のことです。

01立証責任をくわしく

立証責任という考え方の起源は、18世紀の哲学者デイヴィッド・ヒュームによる奇跡の主張への批判に遡るとされ、1979年に天文学者カール・セーガンが「非凡な主張には非凡な証拠が必要」という言葉で広く知られるようにしました。2016年の論文で地質学者デイビッド・デミングは、この言葉の由来をヒュームの議論に辿り、セーガン自身は「非凡」の意味を厳密には定義していなかったと分析しています。

デミングによれば、本来「非凡な主張」とは既存の圧倒的な証拠と直接矛盾する主張を指し、単に新しい、あるいは通説に反するというだけでは該当しません。また「非凡な証拠」とは特別な種類の証拠ではなく、観察や実験データの量が十分に多いことを意味するとされ、この言葉が新しい発想を抑え込む目的で誤用される危険性も指摘されています。

立証責任を主張する側に置く考え方は、医療の現場でも実践的な意味を持ちます。2001年にL・ジョン・ホッファーはカナダ医師会雑誌で、代替がん療法(高用量ビタミンCなど)の検証をめぐる対立を分析し、仮説を検証し始めるには「もっともらしさ」で十分だが、実際に治療方針を変えるには「証明」が必要だと、双方の基準の違いを整理しました。

2015年にスコット・リリエンフェルドは、立証責任を主張者ではなく疑う側に押し付けることが疑似科学の特徴の一つだと指摘しました。立証責任は新しい主張を拒むための道具ではなく、どちらが根拠を示すべきかを整理する枠組みとして理解すると役立ちます。

02身近な例

「このパワーストーンには特別な力がある」と言う人に対して、「本当にそうだという根拠を示してほしい」と求めるのは、立証責任を主張者側に置く考え方の一例です。

03講座で学ぶ

立証責任は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第1章科学的に考えるとは何か。心理学と疑似科学の違い

FAQよくある質問

立証責任とは何ですか?

立証責任とは、ある主張が正しいことを示す責任は、疑う側ではなく主張する側にあるという考え方のことです。

立証責任は誰にあるのですか?

一般に、新しい主張や通説に反する主張をする側に立証責任があるとされます。疑う側が「間違っている証拠」を示す義務は基本的にありません。

「証明されていないから間違っている」と言うのは正しいですか?

必ずしも正しいとは言えません。立証責任の考え方は、証明がまだないことと、その主張が偽であることを区別します。証明がない間は、その主張を事実として採用しない、という立場が妥当とされます。

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出典

  1. Deming, D. (2016). Do Extraordinary Claims Require Extraordinary Evidence? Philosophia, 44(4), 1319-1331.
  2. Hoffer, L. J. (2001). Proof versus plausibility: rules of engagement for the struggle to evaluate alternative cancer therapies. CMAJ, 164(3), 351-353.
  3. Lilienfeld, S. O. (2015). Introduction to Special Section on Pseudoscience in Psychiatry. Canadian Journal of Psychiatry, 60(12), 531-533.

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