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発達エリクソンの発達段階説とは
英語: Erikson's Stages of Psychosocial Development ・ 更新日 2026-10-04
エリクソンの発達段階説とは、心理学者エリク・エリクソンが提唱した、人が生まれてから年を取るまでの一生を8つの段階に分け、それぞれの段階で特有の心理的な課題(危機)に向き合うとする発達理論のことです。各段階の課題にうまく向き合えると、その段階に対応する心の強さ(徳)が育つとされています。
01エリクソンの発達段階説をくわしく
エリクソンの発達段階説では、乳児期の「信頼対不信」から始まり、幼児期の「自律性対恥・疑惑」、青年期の「同一性対同一性の混乱(アイデンティティの確立)」などを経て、老年期の「統合対絶望」まで、生涯を通じて8つの段階が続くとされています。各段階で課題にうまく向き合えると、それぞれ希望、意志、誠実さ、英知といった心の強さが育つと考えられています。
青年期の課題である「同一性対同一性の混乱」をうまく乗り越えると育つとされる心の強さは「忠実さ(fidelity)」で、自分の価値観に矛盾を抱えながらも、誓った関わりを保ち続ける力のことです。2012年のブリティアンとラーナーの研究では、中学1年から高校1年にかけての生徒を追跡し、この忠実さの伸び方に3つの異なる道筋があることを示しました。約52%の生徒は最初から高く安定していましたが、約9%の生徒は低い状態からさらに下がっていき、こうした生徒は非行や物質使用のリスクが高いことが示されています。
中年期以降の課題である「世代性対停滞」や老年期の「統合対絶望」についても、長期にわたる追跡研究が行われています。2015年のマローンらの研究では、30代から40代にかけての心理社会的な発達の高さが、その30年から40年後にあたる75歳から85歳の時点での、認知機能の高さや抑うつの少なさと関連していたことが報告されています。
エリクソンの発達段階説は、各段階を「乗り越えれば終わり」という一度きりの試験のように誤解されやすい点に注意が必要です。実際には、各段階の課題は一生を通じて何度も形を変えて現れるとされ、研究でも、中年期の心理社会的な発達の高さが後の心の健康を直接保証するわけではなく、抑うつの少なさを通じて間接的に関わっている部分が大きいことが示されています。
02身近な例
「自分はどんな人間なのか」と思い悩む高校生の姿は、エリクソンの発達段階説における青年期の課題「同一性対同一性の混乱」の具体例として説明されることがあります。
03講座で学ぶ
エリクソンの発達段階説は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
エリクソンの発達段階説とは何ですか?
エリクソンの発達段階説とは、心理学者エリク・エリクソンが提唱した、人の一生を8つの段階に分け、各段階で特有の心理的な課題に向き合うとする発達理論のことです。
エリクソンの発達段階説とピアジェの発達理論の違いは何ですか?
ピアジェの理論は主に子どもの「思考」の発達段階を扱うのに対し、エリクソンの理論は乳児期から老年期までの一生を通じた「対人関係や自己のあり方」をめぐる心理社会的な課題を扱う点が異なります。
一度の段階でうまくいかなかったら、その後も影響し続けるのですか?
研究では、各段階の課題への向き合い方が後の時期の心の健康と関連することが示されていますが、一度の結果がその後をすべて決めるわけではなく、後の経験によって変化していく部分もあるとされています。
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出典
- Brittian, A. S., & Lerner, R. M. (2012). Early Influences and Later Outcomes Associated With Developmental Trajectories of Eriksonian Fidelity. Developmental Psychology, 49(4), 722-735.
- Malone, J. C., Liu, S. R., Vaillant, G. E., Rentz, D. M., & Waldinger, R. J. (2015). Midlife Eriksonian Psychosocial Development: Setting the Stage for Cognitive and Emotional Health in Late Life. Developmental Psychology, 52(3), 496-508.