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発達物の永続性とは
英語: Object Permanence ・ 更新日 2026-10-03
物の永続性とは、物が視界から隠れて直接見えなくなっても、その物が存在し続けていると理解する力のことです。
01物の永続性をくわしく
スイスの心理学者ジャン・ピアジェは、目の前にある物をタオルや布で隠したときに、乳児がその物を探そうとするかどうかを観察し、「物が見えなくなっても存在し続けている」と理解する力の発達過程を調べました。ピアジェの理論では、隠された物を自分の手で探して取り戻せるようになるのは生後8〜10か月ごろとされていました。
その後の研究では、ピアジェが使った「自分の手で探す」という課題そのものに疑問が投げかけられました。視線の動きを使った方法など、別の方法で調べると、生後5か月ほどの乳児でも物の永続性を理解している様子がうかがえたとする報告があります。
1999年に発表された研究では、物が完全に隠された2つの状況(同じ場所に隠す場合と、見えない場所に移される場合)で、乳児の反応に発達的な違いがあることが示され、ピアジェが説明したような「ひとつの段階で一気に獲得される」という理解では説明しきれない現象があることが指摘されました。
乳児が手を伸ばして物を探せないことは、必ずしも「物が存在し続けると理解していない」ことを意味しません。探すという運動そのものの難しさや、記憶にかかる負担など、別の要因が関わっている可能性があります。
02身近な例
おもちゃをタオルで隠すと、月齢の低い赤ちゃんは探そうとしませんが、月齢が上がるとタオルをめくって探すようになる、という変化が物の永続性の発達として観察されます。
03講座で学ぶ
物の永続性は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
物の永続性とは何ですか?
物の永続性とは、物が視界から隠れて直接見えなくなっても、その物が存在し続けていると理解する力のことです。ピアジェが乳児の探索行動を観察して、その発達過程を調べました。
物の永続性はいつ獲得されますか?
ピアジェの原理論では生後8〜10か月ごろとされていましたが、視線の動きなどを使った後続の研究では、生後5か月ほどの乳児でもその理解の兆候が見られたという報告があります。
物の永続性は本当に1つの段階で一気に身につくのですか?
1999年の研究では、隠し方の違いによって乳児の反応が発達的に異なることが示され、ピアジェが説明したような、一つの段階で一気に獲得されるものではない可能性が指摘されています。
出典
- An, M., Marcinowski, E. C., Hsu, L.-Y., Stankus, J., Jancart, K. L., Lobo, M. A., Dusing, S. C., McCoy, S. W., Bovaird, J. A., Willett, S., & Harbourne, R. T. (2022). Object Permanence and the Relationship to Sitting Development in Infants With Motor Delays. Pediatric Physical Therapy, 34(3), 309-316.
- Moore, M. K., & Meltzoff, A. N. (1999). New findings on object permanence: A developmental difference between two types of occlusion. British Journal of Developmental Psychology, 17(4), 623-644.