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心理学の基礎

流動性知能と結晶性知能とは

英語: Fluid and Crystallized Intelligence ・ 更新日 2026-10-04

流動性知能と結晶性知能とは、新しい場面で論理的に考える力(流動性知能)と、学習や経験によって蓄積した知識を使う力(結晶性知能)という、知能を2つに分けてとらえる考え方のことです。心理学者キャッテルが提唱しました。

01流動性知能と結晶性知能をくわしく

流動性知能(Fluid Intelligence, Gf)とは、新しい状況で論理的に推論したり問題を解決したりする力のことです。結晶性知能(Crystallized Intelligence, Gc)とは、学習や経験によって身につけた知識や語彙を活用する力のことです。この区別は心理学者キャッテルが提唱したことで知られています。

2020年に発表された脳画像の研究では、知能検査(WAIS-III)を用いて、流動性知能は知覚統合や処理速度の指標、結晶性知能は言語理解やワーキングメモリの指標から構成されるとし、流動性知能は上縦束、結晶性知能は脳梁前方部という、それぞれ異なる脳内の神経線維の束と関連することを示しました。

2022年にサイエンス・アドバンシズ誌に発表された研究は、成人期から高齢期にわたる認知機能の変化を調べ、流動性能力(推論・処理速度・ワーキングメモリ)は成人期の早い時期から中年期にかけて徐々に低下し始める一方、結晶性能力(語彙や一般知識)は70歳前後まで上昇が続くことを示しました。

さらに同じ研究では、流動性能力の低下が急な人ほど、結晶性能力の上昇も小さくなる(あるいは低下する)という関連が見られ、結晶性能力が流動性能力の低下を単純に「補う」という図式ではなく、両者が共通の仕組みの影響を受けている可能性が示されています。

02身近な例

新しい土地で地図を見ながら最短ルートを考えるのは流動性知能の働き、長年の経験から「この道は夕方混みやすい」と知っているのは結晶性知能の働きです。

03講座で学ぶ

流動性知能と結晶性知能は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第7章知能とは何か。g因子とフリン効果からわかること

FAQよくある質問

流動性知能と結晶性知能とは何ですか?

流動性知能と結晶性知能とは、新しい場面で論理的に考える力(流動性知能)と、学習や経験によって蓄積した知識を使う力(結晶性知能)という、知能を2つに分けてとらえる考え方のことです。

年を取ると知能は下がるのですか?

一概には言えません。2022年の研究では、流動性知能(推論や処理速度など)は中年期にかけて徐々に低下する一方、結晶性知能(語彙や知識など)は70歳前後まで上昇が続くことが示されています。

流動性知能と結晶性知能は脳の同じ部位に関わるのですか?

いいえ。2020年の脳画像研究では、流動性知能は上縦束、結晶性知能は脳梁前方部という、異なる神経線維の束と関連することが示されています。

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フリン効果フレーミング効果g因子(一般知能)認知バイアス知能疑似科学

出典

  1. Góngora, D., Vega-Hernández, M., Jahanshahi, M., Valdés-Sosa, P. A., & Bringas-Vega, M. L. (2020). Crystallized and fluid intelligence are predicted by microstructure of specific white-matter tracts. Human Brain Mapping, 41(4), 906-916.
  2. Tucker-Drob, E. M., de la Fuente, J., Köhncke, Y., Brandmaier, A. M., Nyberg, L., & Lindenberger, U. (2022). A strong dependency between changes in fluid and crystallized abilities in human cognitive aging. Science Advances, 8(5), eabj2422.

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