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生理心理学HPA系とは
英語: HPA axis ・ 更新日 2026-10-04
HPA系とは、視床下部・下垂体・副腎という3つの器官が連携して働き、ストレスへの反応を担う神経内分泌系のことです。
01HPA系をくわしく
HPA系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis)は、視床下部・下垂体・副腎という3つの器官が連携して働く神経内分泌系です。DeMorrow(2018)によれば、視床下部の神経内分泌細胞が副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)を放出すると、下垂体がこれを受けて副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を血中に分泌し、ACTHが副腎皮質に働いてコルチゾールなどの糖質コルチコイドを産生・放出させるという、一連のホルモンの連鎖が働きます。
この系には、分泌されたコルチゾールが脳内の糖質コルチコイド受容体に働き、CRHとACTHの分泌を抑える「負のフィードバック」の仕組みが備わっています。Smith & Vale(2006)は、海馬・扁桃体・前頭前皮質など複数の脳領域がこのフィードバックに関与し、HPA系の活動の強さと持続時間を調節していると述べています。
一方、Gutierrez Nunezら(2025)は、強いストレスが長く続くと、この負のフィードバックがうまく働かなくなり、糖質コルチコイド受容体の感受性が低下する状態が生じることがあると報告しています。その結果、コルチゾール分泌の日内リズムが乱れたり、炎症を抑える働きが弱まって炎症が起きやすい状態になったりすることがあるとされています。
誤解されやすい点として、コルチゾールは単に「悪いホルモン」ではありません。DeMorrow(2018)が指摘するように、HPA系は免疫・生殖・代謝など幅広い生理機能の調節にも関わっており、通常はストレスに適応するための仕組みとして働きます。問題になるのは、強いストレッサーが長期間続くなどして、この調節のバランスが崩れる場合です。
02身近な例
大事な会議の前に心臓がドキドキしたり、手に汗をかいたりするのは、HPA系が働いてコルチゾールなどが分泌されているためと考えられます。
03講座で学ぶ
HPA系は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
HPA系とは何ですか?
HPA系とは、視床下部・下垂体・副腎という3つの器官が連携して働き、ストレスへの反応を担う神経内分泌系のことです。視床下部から放出されるCRHが下垂体を介してACTHの分泌を促し、最終的に副腎からコルチゾールが分泌されます。
HPA系とストレス反応の関係は?
ストレッサーに直面すると、脳がその情報を視床下部に伝え、HPA系が活性化してコルチゾールなどのホルモンが分泌されます。これにより、エネルギーの動員など、ストレッサーに対応するための身体の変化が引き起こされます。
HPA系が乱れるとどうなりますか?
Gutierrez Nunezら(2025)によれば、強いストレスが長く続くと、HPA系の負のフィードバックがうまく働かなくなり、コルチゾール分泌の日内リズムが乱れたり、炎症を抑える働きが弱まったりすることがあるとされています。ただし個人差も大きく、こうした変化が誰にでも同じように起こるとは限りません。
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出典
- DeMorrow, S. (2018). Role of the Hypothalamic–Pituitary–Adrenal Axis in Health and Disease. International Journal of Molecular Sciences, 19(4), 986.
- Smith, S. M., & Vale, W. W. (2006). The role of the hypothalamic-pituitary-adrenal axis in neuroendocrine responses to stress. Dialogues in Clinical Neuroscience, 8(4), 383-395.
- Gutierrez Nunez, S., Peixoto Rabelo, S., Subotic, N., Caruso, J. W., & Knezevic, N. N. (2025). Chronic Stress and Autoimmunity: The Role of HPA Axis and Cortisol Dysregulation. International Journal of Molecular Sciences, 26(20), 9994.