HOME / 日常の心理学 / 心理学用語辞典 / 誤情報効果とは
学習と記憶誤情報効果とは
英語: Misinformation Effect ・ 更新日 2026-10-03
誤情報効果とは、出来事を経験した後に誤った情報に触れることで、もとの出来事についての記憶が不正確になる現象のことです。
01誤情報効果をくわしく
誤情報効果とは、ある出来事を実際に経験したあとで、その出来事と矛盾する誤った情報に触れることによって、もとの記憶の正確さが損なわれてしまう現象です。心理学者エリザベス・ロフタスらの研究を中心に、目撃証言の信頼性に関わる問題として長年研究されてきました。
2026年に発表された研究では、参加者100人に8つの動画を見てもらったあと、その内容と食い違う目撃証言(誤情報)を読ませ、最初の記憶テストと誤情報提示後の最終テストでの再生内容を比較しました。その結果、誤情報を含む回答は最初のテストから最終テストにかけて有意に増加し(F(3,126)=17.58、p<0.001未満)、もとの出来事の記憶を保ち続けた割合が16.59%だったのに対し、誤情報に基づく誤った記憶に置き換わった割合は6.78%でした。脳活動の記録からも、誤った記憶を共有した参加者どうしでは、特定の脳部位に共通する活動パターンが見られました。
一方で、2024年に発表された系統的レビューでは、9件の研究をまとめた結果、一般的な知的能力や知覚能力が高い人ほど誤情報の影響をやや受けにくい傾向があるものの、「特定の能力が誤情報の影響から完全に人を守るわけではない」と結論づけています。記憶力そのものが高くても、誤情報に惑わされにくくなるとは限らない点も指摘されています。
誤情報効果は、目撃証言の正確さを疑う根拠としてだけでなく、能力の高い人なら誤情報に惑わされないはずだ、という誤解を見直す材料としても参考になります。
02身近な例
事故を目撃したあとに、他の目撃者や報道が語る少し違う内容を聞いているうちに、自分の記憶の方がいつの間にか変わってしまうことがあります。これは誤情報効果の典型的な例です。
03講座で学ぶ
誤情報効果は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
誤情報効果とは何ですか?
誤情報効果とは、出来事を経験した後に誤った情報に触れることで、もとの出来事についての記憶が不正確になる現象のことです。目撃証言研究の分野で、エリザベス・ロフタスらを中心に研究が重ねられてきました。
記憶力が良い人は誤情報効果が起こりませんか?
いいえ。2024年の系統的レビューによると、知的能力や記憶力が高い人はやや影響を受けにくい傾向があるものの、どんな能力も誤情報の影響から完全に人を守るわけではないとされています。
誤情報効果はどんな場面で起こりやすいのですか?
出来事を経験した後に、その内容と食い違う情報(他人の話や報道など)に触れる場面で起こりやすいとされています。2026年の研究では、誤情報を読んだ後の記憶テストで誤情報を含む回答が増えることが確認されています。
RELATED同じ分野の用語
出典
- Brassil, M., O'Mahony, C., & Greene, C. M. (2024). Do cognitive abilities reduce eyewitness susceptibility to the misinformation effect? A systematic review. Psychonomic Bulletin & Review, 31(6), 2410-2436.
- Shao, X., Chen, C., Loftus, E. F., & Zhu, B. (2026). Shared memories of event details in the human brain are altered by misinformation and test expectations. PLOS Biology, 24(7), e3003886.