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学習と記憶オペラント条件づけとは
英語: Operant conditioning ・ 更新日 2026-10-03
オペラント条件づけとは、ある行動の直後に生じた結果(強化や罰)によって、その行動が将来くり返される頻度が変化していく学習の仕組みのことです。
01オペラント条件づけをくわしく
オペラント条件づけという考え方は、1938年にアメリカの心理学者スキナー(B. F. Skinner)が著書『The Behavior of Organisms』で体系化したことで知られるようになりました。この本はその後の行動分析学という研究分野の土台になった重要な著作と位置づけられており、刊行の翌年には心理学者ヒルガードによる書評もJournal of the Experimental Analysis of Behaviorに掲載されています。オペラント条件づけでは、行動を引き起こす特定の刺激があるわけではなく、行動の「結果」として与えられる強化子(行動を増やす結果)や罰(行動を減らす結果)が、スケジュール(与え方のパターン)に従って行動の頻度を変化させていくと説明されます。
1968年にBlackmanが発表した実験では、ラットにレバー押し行動を学習させ、変動時間間隔(VI)スケジュールで強化を与えながら、音と電気刺激を組み合わせた条件づけ抑制の実験を行いました(実験1は36匹、実験2は12匹のラットが対象)。その結果、もとの反応率が高いときほど抑制が強く現れること、そして強化の頻度が低いときほど抑制が強くなることが分かりました。この実験は、オペラント行動の反応率が、強化の有無だけでなく、強化が与えられる頻度やスケジュールのパターンによって細かく調整されることを示しています。
オペラント条件づけの考え方は、臨床的な応用にも使われています。2019年にGettyらが発表したメタ分析では、スマートフォンを使って金銭的な報酬を条件づけ的に与える「コンティンジェンシー・マネジメント」という介入法について、薬物使用障害のある人を対象にした7件の研究(参加者222人)をまとめて分析しました。その結果、報酬を条件づけ的に与えるグループは、対照群と比べて薬物検査の陰性率(効果量d=0.94)や、薬物を使わずに過ごせた期間の長さ(d=1.08)などで、統計的に大きな差が見られました。望ましい行動の直後に報酬を与えるという操作一つで、実際の行動パターンを変えられることが示されています。
ただし、オペラント条件づけは、音と刺激のように行動の前に二つの刺激を結びつける古典的条件づけとは仕組みが異なります。またBlackmanの実験が示すように、反応率への影響は強化の量だけでなく頻度やタイミングによっても変わるため、「報酬を与えれば常に同じように行動が増える」という単純な理解は誤解を招きやすい点に注意が必要です。
02身近な例
たとえば、宿題を終えたらご褒美のお菓子をもらえると、宿題をする行動の頻度が増えるというのもオペラント条件づけの一例です。
03講座で学ぶ
オペラント条件づけは、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
オペラント条件づけとは何ですか?
ある行動の直後に生じた結果(強化や罰)によって、その行動が将来くり返される頻度が変化していく学習の仕組みです。
オペラント条件づけと古典的条件づけの違いは何ですか?
古典的条件づけは、音と刺激のように、行動とは関係のない二つの刺激を結びつける学習です。一方オペラント条件づけは、行動そのものの「結果」として与えられる強化や罰によって、その行動の頻度が変化していく学習だという点が異なります。
ご褒美をやめると、学んだ行動もすぐに消えてしまいますか?
研究では、行動の変化は強化の量だけでなく、強化が与えられる頻度やスケジュールのパターンによっても影響を受けることが分かっています。そのため、報酬をやめたときに行動がどのくらい早く弱まるかは、それまでの強化の与え方によって変わりやすいとされています。
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出典
- Blackman, D. (1968). Response Rate, Reinforcement Frequency, and Conditioned Suppression. Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 11(5), 503–516.
- Getty, C.-A., Morande, A., Lynskey, M., Weaver, T., & Metrebian, N. (2019). Mobile Telephone-Delivered Contingency Management Interventions Promoting Behaviour Change in Individuals with Substance Use Disorders: A Meta-Analysis. Addiction, 114(11), 1915–1925.