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学習と記憶

負の強化とは

英語: Negative Reinforcement ・ 更新日 2026-10-04

負の強化とは、望ましい行動のあとに、不快な刺激を取り除くことで、その行動を増やすことです。

01負の強化をくわしく

負の強化は、何かを新しく与えるのではなく、すでにある嫌な刺激や状況を取り除くことによって、直前の行動を将来も起こりやすくする学習の仕組みです。頭痛薬を飲んで痛みが消える体験をすると、次に頭痛が起きたときにも同じ薬を飲む行動が増えますが、これは痛みという不快な刺激がなくなったことが強化として働くためで、本人が意図していなくても自然に成立します。

2026年に発表された動物園での訓練研究では、嫌がる対象から距離を取れるようにすることを負の強化として用いた事例が報告されています。苦手な担当者に攻撃的な反応を示していたトラは、担当者が一時的に離れることを穏やかな行動の強化子として使うことで、8回・合計42分の訓練で友好的な発声に変化しました。同研究では、距離を自分でコントロールできるようにする手法を用いたオランウータンの事例が約15分で回避行動の解消につながったとされ、別のカピバラの事例で用いられた系統的脱感作法(25回・合計52.5時間)より著しく短時間で改善が見られています。

一方で、負の強化はヒトの問題行動を長引かせる要因にもなります。発達障害のある人の活動の切り替え場面を扱った研究では、対象者18人のうち8人で、課題や指示から逃れること(逃避)が問題行動を維持する主な機能と特定されました。切り替え前に予告するだけでは効果が乏しく、望ましい代替行動を強化しつつ元の逃避行動を強化しない手続きを組み合わせたほうが有効だったと報告されています。

このように負の強化は、動物の訓練から人の問題行動の理解まで幅広い場面に関わっており、嫌なことがなくなるという結果が行動を無自覚のうちに強めてしまう点を理解しておくことは、日常や支援の場面で行動を見直す手がかりになります。

02身近な例

着ていると肌がかゆくなるタグ付きの服を脱ぐとかゆみが消えるため、その後も気づかないうちに同じようにすぐ脱ぐようになる、というのも負の強化の一例です。

03講座で学ぶ

負の強化は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。

  1. 第6章強化と罰の違い。行動を増やす仕組みと減らす仕組み

FAQよくある質問

負の強化とは何ですか?

負の強化とは、望ましい行動のあとに不快な刺激が取り除かれることで、その行動が将来も起こりやすくなる学習の仕組みです。

負の強化と正の強化の違いは?

正の強化は望ましい刺激を新たに与えることで行動を増やし、負の強化は不快な刺激を取り除くことで行動を増やします。方法は逆ですが、どちらも行動が増えるという結果は共通しています。

負の強化と罰は同じ意味ですか?

いいえ、異なる仕組みです。負の強化は行動を増やす働きですが、罰は行動を減らすことを目的とする働きで、効果の方向が逆になります。

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忘却曲線ワーキングメモリ誤情報効果虚偽記憶新近性効果オペラント条件づけ

出典

  1. Heidenreich, B., & Pedersen, A. (2026). Rethinking Negative Reinforcement in Zoo Animal Welfare: A Constructional Approach to Distance as a Reinforcer to Address Fear and Aggression. Animals (Basel), 16(14), 2206.
  2. Kim, J. Y., Ravichandran, V., Moeyaert, M., Ditzler, H., Ryan, M., & Fienup, D. M. (2026). Interventions for Transition-Related Challenging Behavior in Individuals with Disabilities: A Targeted Research Synthesis and Meta-Analysis of Studies Published in Behavior Analytic Journals. Behavior Modification, 50(3), 212-247.

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