HOME / ゼロから学ぶ心理学 / 心理学用語辞典 / 組織市民行動とは
産業・組織心理学組織市民行動とは
英語: Organizational citizenship behavior (OCB) ・ 更新日 2026-10-04
組織市民行動とは、職務として決められていないにもかかわらず、組織や同僚のために自発的に行う行動のことです。経営学者オーガン(Dennis Organ)が1988年に、正式な報酬の対象ではないが積み重なると組織の効果的な機能に役立つ、裁量的な行動として定義しました。
01組織市民行動をくわしく
組織市民行動(OCB)は、1988年にオーガンによって定義された概念です。定時の業務として評価されるわけではないものの、同僚を手伝う、職場の問題に関心を持つといった、組織の役に立つ自発的な行動が含まれます。
2026年に発表されたメタ分析では、186件の研究、合計約29,034人のデータを統合し、組織市民行動と主観的な幸福感(ポジティブな感情、ネガティブな感情、生活満足度)との関連が調べられました。その結果、組織市民行動は、ポジティブな感情(相関.34)や生活満足度(相関.30)と正の関連を示し、ネガティブな感情とは弱い負の関連(相関-.11)を示しました。
また、倫理と組織市民行動の関係を調べた別のメタ分析(125件の研究、約15.8万人のデータ)では、倫理的な風土や信念など24種類の倫理的要因が、組織市民行動と有意な正の関連を示したことが報告されています。一方で、モラル逸脱(非倫理的な行動を自分の中で正当化する傾向)は、組織市民行動と負の関連を示しました。
このように、組織市民行動は、職場の幸福感や倫理観など、さまざまな心理的要因と関連して研究されています。ただしこれらは相関関係を示した結果であり、組織市民行動を増やせば幸福感や倫理性が必ず高まるという因果関係を直接証明したものではない点に注意が必要です。
02身近な例
頼まれていないのに、新しく入ったメンバーに仕事の進め方を教えたり、職場の備品が切れていたら気づいて補充したりする行動は、組織市民行動の例といえます。
03講座で学ぶ
組織市民行動は、無料講座「ゼロから学ぶ心理学入門」の次のレッスンで詳しく学べます。
FAQよくある質問
組織市民行動とは何ですか?
組織市民行動とは、職務として決められていないにもかかわらず、組織や同僚のために自発的に行う行動のことです。1988年にオーガンが定義しました。
組織市民行動と職務満足の違いは?
職務満足は、自分の仕事に対してどれだけ満足しているかという気持ちを指します。組織市民行動は、その人が実際にとる、職務として求められていない協力的な行動を指し、両者は別の概念ですが、関連して研究されることがあります。
組織市民行動を行うと幸せになれますか?
研究では、組織市民行動と生活満足度などの主観的な幸福感との間に正の関連が確認されています。ただしこれは相関関係であり、組織市民行動が幸福感を高めると直接証明されたわけではありません。
RELATED同じ分野の用語
出典
- Li, Z., Yang, X., & Tang, J. (2026). Do ethics matter? Impact of ethics on organizational citizenship behavior: a meta-analysis. Frontiers in Psychology, 17, 1773853.
- Wiese, C. W., Scotney, V. S., Hou, D. X., & Tay, L. (2026). Helping hands, flourishing hearts: A meta-analytic study of organizational citizenship behaviors and subjective well-being. Applied Psychology: Health and Well-Being, 18, e70158.